第42話 生魚は醤油をつけて食べろ!
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誰の娘だと思ってんだよ豆粒ドチビ!」
「誰がチビだ! 一辺ぶっ潰すぞてめぇ!」
銀時にからかわれて怒ったヴィータを皆が必死に止める。とにもかくにも、このまま行けば今日中に売り上げが相当な額に行きそうだ。幸い材料はまだ余裕がある。こうなれば材料がなくなるまで売りまくるだけである。
が、此処に来て問題が浮上してしまった。
「お父さん……」
「あん、どしたぁ?」
「私、もう疲れたからそろそろ寝るねぇ」
そう、なのはが船盛り作りを飽きてしまった事だ。
「私ももう充分作ったからえぇわ。後よろしゅうにぃ」
「え? ちょっ、えええええええええええええ!」
此処に来てこの事態であった。そう、この船盛りを作っていたのはたった二人。それも若干9歳の女の子だったのだ。今の時刻は午後11時。お子様だったらすぐにでも寝てる時間だ。
流石に夜更かしし過ぎたのだろう。なのはもはやても職人服から普段着に着替えると、そのまま休憩所で寝てしまった。
「ど、どうすんですか、銀さん? 僕等船盛りなんて作れませんよ」
「ま、まぁしょうがねぇ。こうなったら此処から寿司にくら替えすりゃ良いんだ。」
どの道しょうがないと言えばしょうがない。なのはとはやてしか船盛りが作れない以上寿司に戻すしかないのだ。
幸いピークも過ぎたので客足も落ち着いている。この分なら寿司に戻しても問題はないだろう。
だが、そうそう簡単に事態は収まらないのがお話の面白いところであり―――
「オイテメェ等! 何カ表ニ変ナ野郎ガイルンダヨ! オ前等ヲ出セッテ言ッテルンダヨ!」
「俺達を?」
突然店側からキャサリンがやってきた。かなり慌てている。一体どうしたと言うのだろうか?
***
店側に出てみると、其処には一人の男がカウンターに立っていた。鋭い眼光を持っており整った顔立ちをしている。そして、その手には無数の傷が出来ていた。その傷の数々は数年で付いた傷じゃない。恐らく数十年の間についた傷だと推測出来る。
「この船盛りを作ったのはお前等か?」
「そう言うてめぇは誰だ?」
「おやおや、この業界をやってて俺の名を知らないってのか? これでも、結構有名だと自負してたつもりだったんだがなぁ」
銀時の問いに男はフッと笑ってみせる。明らかなキザったらしい態度に銀時が怒りそうになった時、長谷川が口を開いた。
「あ、あんた! まさか、包丁人味吉!」
「え? 味吉って、あの味吉ですか?」
新八も驚きを見せる。
そう、此処に居る男性こそ、店を持たず転々と辺りを歩き、有名店に勝負を挑み連戦連勝を誇る無敵の包丁人である。
彼の名は江戸中の料理店に轟き渡っており、彼をスカウトしようと躍起になる高級料理店の数々は数知れず。しかし、その度に彼
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