第42話 生魚は醤油をつけて食べろ!
[6/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
余りシャリを握り過ぎないのもポイントである。
シャリを手の中に長時間入れ続けていると手の熱が移ってしまい旨味が損なわれてしまうからだ。
故に寿司を握るというのは時間との勝負と言う事になる。
シャリを適量握り、わさびを乗せ、その上にネタを乗せる。これで見事なかっぱ巻きの完成である。
「何でだよおおおおおおおおおおおお! 何で其処でかっぱ巻きになってんだよ! さっきまでちゃんとネタ乗せてたじゃん! わさび乗せてたじゃん!」
「駄目だぁ、俺やっぱかっぱ巻きしか握れねぇんだよぉぉ!」
その場に蹲り泣き叫ぶ長谷川ことマダオ。どうやら長谷川はかっぱ巻きしか握れそうにない。
「それにしても、何で長谷川さんかっぱ巻きしか握れないんでしょうね?」
「先祖が三蔵法師と共に天竺まで旅したかっぱなんだろう? んな事よりもだ、これで大体の作り方は分かったな?」
そう言い、銀時は何故かなのはの方を向く。それに釣られる様に皆の視線もなのはに向けられる。
そのなのはと言えば、気合を入れる為なのか、はたまた只の雰囲気出しなのかは分からないがとにかくねじり鉢巻をして気合を高めていた。
「おっけぇい! 何時でも行けるよぉ!」
「うっし、頼むぜぇ」
そう、要するに全部なのはに丸投げ。と言う事らしい。下手な人間が作るよりはましなのだろうが。
「ちょちょちょ、ちょっと銀さん! 良いのかよ? あの子に全部丸投げしちまってよぉ!」
「心配すんなって。なのはの料理の腕前はそんじょそこらの料理人じゃ足元にも及ばない位のレベルになってんだ。あいつに任しておけば万事解決だよ」
「どんだけ鉄人なんだよあのお嬢ちゃんは」
今更ながらなのはの料理スキルの高さに驚きを見せる長谷川。そんな皆の前では、緒の凄い速さで両の手を動かしているなのはが見えた。まるで、千手観音の様に手が無数にあるように見える。
時間からしておよそ数分だっただろう。寿司を握るには案外時間が掛かったようだが。
「ふぅ、完成したよ」
「ほぉ、お前にしちゃ案外苦戦したみたいだな」
「うん、ちょっとアレンジ加えてみたからさ」
額の汗を手の甲で拭いながらも満面の笑みを見せるなのは。そんな彼女の力作と言うのがこれまた凄まじい出来であった。
一面綺麗に盛られた刺身と、手作業で作られた糸大根。それに形作られたかの様に魚の頭と尻尾が盛られており、その間に刺身などが綺麗に並べられている。
正に立派な船盛りであった。
だが、惜しい点と言えば、今作って欲しいのは船盛りじゃなくて寿司なのだが。
「マジですげぇよ。お前更に腕前上げたんじゃねぇの? これなら充分金ふんだくれるって」
「って船盛りじゃねぇかあああああ! 何で俺が寿司握ったのに船盛りなんて作るんだよぉ! 寿司握れよ! 明らかに俺以上って言う
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ