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駄目親父としっかり娘の珍道中
第42話 生魚は醤油をつけて食べろ!
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だったようで。
「おいおい、何だよこのつまの出来はさぁ、あんたら本当に包丁握った事あんのぉ? こんな分厚い千切り大根聞いた事ないよぉ」
「……」
「……」
 つま担当だった銀時と新八だったが、これもやっぱり経験ゼロな為に禄な物が出来てない。その為長谷川に終始怒鳴られっぱなしだったようで。
「全くもう、皆しっかりしてくれよぉ。これじゃ俺の出世が台無しじゃねぇか。もっと真剣に取り組んで貰わないと困るんだよ。分かってるの? 遊びでやってんじゃねぇんだからさぁ、もうちょっとしっかりしてくれよ!」
 呆れた顔で説教を垂れる長谷川。そんな長谷川に対し、遂に、一同の我慢の限界がピークに達してしまった。
「いい加減にしろやああああああああああ!」
 とうとう完全にぶち切れた銀時の放った飛び蹴りを皮切りに、その場に居た一同全員の激しいストンピングの嵐に見舞われる。

 何生意気言ってんだこのマダオがあぁ! 元々てめぇの為にやってんのに何でてめぇがふんぞり返ってんだ! てめぇも何か手伝え! そもそも俺等に奢らせるためだったんだろうが! 我等を愚弄するかこの駄目人間がぁ! おい、もう勝負なんてどうでも良いからこいつを題材にして盛り付けしちまおうぜ! 女体盛りならぬ親父盛りだよ親父盛り! おぉ、それは名案だな!

「ちょ、ちょっと待ってぇ! お願い、叔父さんが調子乗ってたからさぁ、御免なさい。謝るから、謝るから止めて……って、あぎゃああああああああああああ!」
 調理場内一杯に長谷川の断末魔が響き渡る。だが、その叫びを聞いた人間は誰一人として居なかったりして。




     ***




「どうでぃ、俺の船盛りは?」
 その頃、一足先に作り終えた味吉の船盛りを食べた客達やお登勢、そしてキャサリンは正に太鼓判を押している真っ最中であった。
「こりゃ、間違いなく最高の出来だねぇ。こんなのをタダで食えるってんだから今日は吉日だよ」
「生キテテ良カッタデェス!」
「ふっ、よせやい、照れるじゃねぇか」
 終始皆からの太鼓判を押されて上機嫌の味吉。すると、そんな一同の下へレーンに乗ってやってきた。どうやら長谷川達の船盛りが完成したようだ。
 挑戦的な眼差しを送り、それの到着を待つ味吉。だが、流れてきたそれを見た途端、味吉は勿論、その場に居た誰もかれもの顔が凍りついたのは言うまでもない。
 其処にあったのは、何とデカイ木の板の上に寝かされるように置かれた素っ裸の長谷川。その長谷川を中心に刺身やつまなどが適当に並べられた品物。簡単に言うなら女体盛りの類だった。
 だが、それが絶世の美女の体なら文句無しなのだが、相手は親父。それもマダオだ。しかもその盛り付けもかなり酷かったりする。
 すると、そんな長谷川が乾き切った笑顔でこちらを
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