第41話 幾ら欲しくても限度は守ろう
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はてさて、弁天堂新機種【3TS】を巡って血で血を洗う壮絶な争いはいよいよクライマックスへと迫っていた。
並居るオタク達を押しのけ、見事栄光の決勝戦へと進出する事が出来た10名の若者達。
この若者達がたった1台の新機種を巡って壮絶なバトルをする事になるのである。
「それでは、まず第1回戦から始めたいと思います!」
相変わらずテンション高めの店長が何時の間に用意したかと思われるボックスの中に手を突っ込む。
ゴソゴソと適当に動かし、中から紙切れを一枚だけ取り出し自分の目の前で広げる。
「まず第1回戦は………【OOEDO JUNGLE】をプレイしていただきます!」
タイトルが出た途端、回りでオタク達の大歓声が上がった。此処でこのゲームに関する情報を少しだけ説明しましょう。
OOEDO JUNGLEとは、突如江戸から人類が居なくなり、動物だけの世界となった。その世界でプレイヤーキャラとなった動物がひたすらに生き残るサバイバルハンティングアクションゲームなのである。
え? 似た様なゲームを知ってるですって? それはきっと気のせいですよ。
そんな訳で第1回戦はこのゲームが当てられた。後は誰がそれをプレイするかである。
「動物が主人公ならば俺が行こう」
「流石はザフィーラだ。伊達に狼やってる訳じゃなさそうですねぃ」
壇上へと上がるザフィーラ。対する対戦者は、なんと神楽であった。
「まさか、此処で貴様と当たる事になるとはな」
「カモ〜ン。手加減なしで勝負してやるアルよ」
「臨む所だ。主の為にも負ける訳にはいかん!」
早速火花を散らす両者。因みにこのゲームの勝利条件だが、長く生き残った方が勝者……では案外すんなり決着がつきそうなので、制限期間10年とし、その間により多くカロリーを摂取出来た方を勝者とする。
と言うルールとなった。
因みにザフィーラは狼を選び、神楽はウサギをチョイスした。それぞれ各々の得意そうな動物を選んだらしい。
そんな訳で早速ゲームが開始された。
「ふむ、要するにこの廃墟となった江戸の町で只ひたすら生き続ければ良い事だろう? 簡単な事だ」
タカを括るような発言をしつつ、ザフィーラがコントローラーを操作する。流石は守護獣なだけあり狼の扱いも慣れた物である。
次々と獲物をハンティングし、お腹を満杯にしていく。
「どうやらこのエリアは穴場だったようだな。獲物が多くて助かる」
ザフィーラが今居るエリア、かぶき町通りは現在小動物の宝庫となっており、その中でザフィーラの操る狼は餌に困ることはまずなかった。
この調子であれば余裕の大勝利は間違い無し。そう思っていた正にその瞬間であった。
建物と建物の間に生えていた茂みの中から何か黒く巨大な物体が勢い良く跳び出
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