第41話 幾ら欲しくても限度は守ろう
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して来たのだ。
それは瞬く間にザフィーラの操る狼を仕留めて、地に伏せさせてしまった。
其処に居たのは巨大な大型犬のモンスターであり、お腹の部分に可愛い犬の顔がついているへんちくりんな生き物だった。
俗に言う【天使と悪魔が同棲している】様な生き物であった。その生き物は狼を仕留めた後、地面に穴を掘り頭以外を全て埋めてしまった。
そんな狼をバックに画面にデカデカと【貴方は食べられました】と書かれる結果となった。
その画面を前にして、ザフィーラは青ざめたままアングリと大きく口を開いていた。
「言い忘れましたがこのゲームには宇宙から輸入した生物も操作キャラに含まれます。その性能や習性も忠実に再現してありますのでこの様な場面も再現されるのです」
「び、微妙な所でリアルなんだな………」
ガックリと項垂れるザフィーラ。すると、画面が突如フラッシュバックし、再びスタート地点に狼が立っていた。
「尚、今回の勝負は何回死んでも即再プレイ出来ます。ですが、その際には今まで食べたカロリーは全てリセットされますのでご注意下さい」
店長の言う通りであった。見れば時間は経過したままだが摂取カロリーは0になっていた。
つまりまた一からやり直しになってしまったのである。
「ぶははははぁ! ざまぁ見ろアルゥ! これで私の勝利は確定したも同然アルなぁ!」
振り出しに戻ってしまったザフィーラを鼻で笑う神楽。そんな神楽と言えば順調に草を食みまくり摂取カロリーをグングンと伸ばしていた。
そんな神楽の操作するウサギの目の前に、一匹の巨大な犬が姿を現した。
つぶらな瞳を持ち、舌を出して可愛らしげに迫って来ている。
「おぉ! あれは間違いなく定春アルゥ! 定春もこのゲームに出ていたアルなぁぁ!」
その姿は間違いなく神楽のペットである定春に酷似していたのだ。そんな定春そっくりの犬に神楽の操るウサギが近づく。
突如、犬の目つきが変わった。その目は正しく狩りを行う狩猟者の目であった。
その途端、大型犬は大きく口を開き、そのウサギを一口に食べてしまった。
そして、同様に神楽の画面にも【貴方は食べられました】と書かれていた。
「さ、定春が……定春がぁぁぁ―――!!!」
コントローラーを手放し、神楽は絶叫しだした。無理もない。神楽が飼っている定春と同じ姿をした犬がまさかまさかのハンティングであったのだから。
普段の定春からは想像出来ない光景でもあった。
何はともあれ、お互いにゼロからの再スタートとなってしまったのであり。
「おぉっと、まさかまさかの急展開ぃぃぃ! 先ほどまでリードしていた筈の神楽選手がまさかの急転落! そして入れ替わりにザフィーラ選手が僅差で抜いているぅぅぅ!」
何時の間にか実況側に回った店長。マイク片手にノリノリで
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