第九話 新たな開闢
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
しかない。情報の秘匿もあり、彼らは機体ごと爆発させていった。
「結局、彼らはどこの部隊だったんだろうね?」
バルトフェルドが機体から降りたキラやマリューと話あう。武装や機体からしてザフトの人間に見えるが、もしかしたらそうやって偽装した別の組織の人間かもしれない。ジャンク屋や自分たちクライン派と似たような組織を探せば、ザフトの機体だって手に入る。或いは外装だけでも誤魔化すことは出来るだろう。
そして、ザフトだったとしてもザフトの誰がこんなことをしたのか。最も大きな命令権を持つのはデュランダル議長だが、別に議長だけが部隊を動かせるわけではない。可能性は低いが、この部隊の独断という可能性だってあるのだから。
「なんにせよ、オーブが決断を迫られている中、僕たちも選択を迫られているのかもしれません」
「ですが、キラ……あなたは!」
キラもラクスもマリューも、前大戦で負った精神的な傷は大きかった。廃人や奇人になるようなことこそなかったが、その一歩手前だったことは明らかだった。この二年、傷は癒されつつあるとはいえ、それでもと思ってしまう。
ラクスが療養していたのは自身よりもキラが心配だったからだ。戦争が終わった直後のキラは無気力に近い状態だった。親友のアスランや義父母であり叔父叔母であったヤマト夫妻、そしてラクスといった多くの人達に支えられて回復してきたのだ。
そんな中、再び戦火の渦中へと飛び込むことになるかもしれない。
「ああ、そうなのかもしれないね……」
「バルトフェルドさん!?」
キラの発言に最初に同意を示したのは砂漠の虎こと、アンドリュー・バルトフェルドだ。彼はこの中で唯一、まともな軍人である。マリューも軍属だったが、その分野は技術士官だったためこういったことは専門分野ではない。
「このままコーヒー専門の喫茶店でも開けたらよかったんだけどねぇ〜。この件も含めて、どうも見て見ぬふりをするわけにはいかないってことだろ、キラ君」
「はい、僕たちは何が真実なのかを知るべきなんだと思います。アスランも真実を知るためにプラントへ向かいました。ラクス、僕はもう大丈夫だから」
「キラ―――わかりました。でも、絶対に無理だけはしないでください」
全員が真実を知るために再び動くことを決定する。
「じゃ、手始めにいったい何をするんだい?」
「はい、それは―――」
そして、カガリ・ユラ・アスハとユウナ・ロマ・セイランの栄えある結婚式に籠の中に閉じ込められた鳥を救いだし、自由を得たかのように、フリーダムがカガリを攫って行った。
◇
「こちら認識番号285002特務隊フェイス所属、アスラン・ザラ……寄港にいるミネルバへ乗艦許可を」
議長からセイバーを受け取り、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ