第二部 文化祭
第5話 依頼
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
よ……とりあえずその手、離してもらえませんか!?」
「わたしが言ったこと、ちゃんと守れるようになったらね」
「どっかのお母さん!?」
言っている内に、校門をくぐっていた。
*
しばらくして、真っ暗な森の前にたどり着いた。
俺は先ほどやっと自由になった手をぶらぶらと振りつつ訊ねた。
「ユージオ、目的地はここでいいんだっけ?」
「うん。ここのモンスターはそんなに強くないし、中学生の直葉にはピッタリだね」
ユージオが言うと、直葉は「うん!」と満開の笑みを浮かべた。
──微笑ましいってこういう時に使うのかな……。
とか考えていると。
「……キリト君、後ろ!」
「え?」
振り返ると、青イノシシのようなモンスターが、こちらに向かって突進してきていた。
「……やァァアアアっ!!」
アスナは気合いと共に自分のレイピアを鞘から抜き出し、単発ソードスキル?リニアー?を青イノシシに命中させた。
──見えなかった。
アスナの動きが、あまりにも速かった。
?閃光?の異名を取るほどの腕前であることは前からよく知っていたが──今回はいつも以上に速かった。
「あ、ありがとうアスナ。今回はいつも以上に速かったな」
「ううん。……なんでかな。君が危ないと思ったら、いつもより速く体が動いたの」
アスナはニッコリ微笑んで言った。
──次の瞬間。
「……あと、討伐依頼受注中に気を抜くなんて、信じられないわ。わたしがいなかったら、今頃君はどうなっていたかしらね」
アスナさんが真顔で説教(?)なさる。
「……ゴメンナサイ」
ここは素直に謝っておく。
「君よりも、直葉ちゃんの方がずっと向いてるわ」
「ゴメンナサイ」
再び謝罪。
すると、直葉の声が聞こえた。
「お兄ちゃーん、10匹くらい倒せたよー」
「いつのまに!?」
俺もうかうかしてはいられないと思い、背中の鞘から白い剣?ダークリパルサー?を抜き出すなり、モンスターへ突進していった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ