第186話
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、扉が開いた瞬間、麻生の顔面に向かって金属の拳が襲い掛かったからだ。
防御する間すらなく、愛穂達が立っている位置とは反対側に吹き飛ばされ壁に激突する。
突然の事に、四人は呆気にとられていた。
「き、恭介ぇぇぇ!!」
正気に戻った制理が悲痛な叫びをあげて、駆け寄ろうとするが桔梗が肩を押える。
エレベーター内から現れたのは、全身を金属の装甲で覆われた全長二メートルの人型機械だ。
白い装甲に凹凸のあるフォルム。
銃火器のような武装が見当たらないが、間違いなく学園都市製。
警備員の愛穂ですら初見である兵器。
機動鎧。
駆動鎧と対をなす、機動型兵器。
一見すれば駆動鎧のように見えるが、中には人はおらず人口AIで動いている。
ビルに描かれた魔方陣の索敵は無機物も反応するが、麻生は生命反応だけをサーチしたために、この機械を見逃していた。
麻生が吹き飛んで冷静さを失っている制理を桔梗は必死に抑える。
彼女自身すぐに駆け付けたいが、機動鎧がそれを許すはずがない。
機動鎧は愛穂達に身体を向ける。
愛穂は躊躇わず銃口を向け、発砲するが対物ライフルを防ぐ装甲に傷一つ付かない。
「機械相手ならミサカが相手を」
「駄目じゃん!
子供は下がって!」
打ち止めは発電系能力者であり強能力者。
機動鎧相手なら戦えるかもしれないが、警備員として、何より大人としてこんな少女に戦わせたくない。
機動鎧はゆっくりと近づき、愛穂も無駄と分かっていても拳銃を撃ち続ける。
エレベーターや階段は反対側にあり、機動鎧の脇を通らないといけない。
最悪、制理と打ち止めを逃がさないといけない。
自分が囮になる覚悟を決めかけた時。
突如、機動鎧の背後から紅い槍が内側から飛び出した。
機動鎧の武装・・・ではなく背後から何者かが槍で刺し貫通させたのだ。
「いってぇな、このクソ野郎。」
悪態を吐きながら、機動鎧の影から麻生の姿が現れた。
「恭介ッ!」
眼の端に涙を溜めながら、制理が思わず麻生に抱き着いた。
実は麻生もあのお守りを持っていた。
ふとした油断から奇襲を喰らい、一撃で絶命する可能性を考え所持していたのだ。
結果、機動鎧の拳を喰らっても何とか生き残り、刺し穿つ死棘の槍を創ったのだ。
既に身体は能力で治癒している。
「心配かけたのは分かったからそろそろ離れてくれないか?」
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