第186話
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で受け取った打ち止めは満足そうな笑みを浮かべる。
あまりの能天気さに呆れる麻生だが、いつもと変わらない打ち止めに愛穂達は小さく笑う。
「肌身離さず持っていろよ。」
「離す訳ないじゃん。
これ凄いご利益あるし。」
これを持っていれば怪我をするのが目に見えて少なくなった。
危機的状況に陥った時はこのお守りが守ってくれたりと本当にご利益がある。
少し廊下を歩くと先頭を歩く麻生はしゃがみ込んだ。
右手には音叉と呼ばれる金属楽器が握られていた。
腕の部分を軽く地面に叩く。
キーン、という甲高い鼓膜を揺らす音が響き渡る。
音はどこまでも反響し、ビル全体に響き渡るように感じた。
眼を閉じていた麻生だが、音が鳴りやむと同時に舌打ちをした。
「三二人、武装した集団が階段からこの階に向かって来ている。」
その言葉に愛穂達は眼を見開く。
三二人という数もさることあがら、武装しているという点も驚いた。
ヘリの攻撃もそうだが、完全にこちらを殺しに来ているのが分かる。
「ど、どうするの。」
殺伐とした雰囲気に慣れていない制理は顔を青ざめながら聞く。
麻生は冷静だった。
元からこのマンションに何十、何百人来ようが問題ないからだ。
「言わなかったが、このマンションは密かに俺が改造したんだ。」
そう言いながら、近くの壁に手を当てる。
すると巨大な魔方陣が浮かび上がり、紫色の光を発する。
呼応し廊下、いやビル全体にびっしりと魔方陣が浮かび上がった。
「対襲撃用に備えてある。
後は魔力を注ぐだけだ。」
瞬間、複数の断末魔が麻生達の耳に届いた。
一度だけではない。
最初に聞こえた断末魔の後に続いて、何度も断末魔が聞こえ、二分も経つと声すら聞こえなくなった。
麻生は壁から手を離して、エレベータに向かう。
「何をしたの?」
険しい表情を浮かべながら桔梗は問いかける。
「そんな眼をしなくても殺してはない。
このビルの壁と一時的に融合させただけに過ぎない。
数時間もすれば解放されるよ。」
「や、やりすぎなんじゃあ・・・・」
「相手は俺達を殺しに来ているんだ。
これくらいの報復は覚悟しているだろ。」
制理の素直な感想を否定しつつ、エレベーターのボタンを押して、この階に来るのを待つ。
彼が殺していないのなら殺していないのだろう。
その言葉を信じて、愛穂と桔梗は脱出するの優先させる。
エレベーターがもうすぐ一三階に到達する。
「ここを出てどうするの?」
「まだ決めていないがひとまず適当な所で考える必要が」
桔梗の質問に答えていた麻生だが、答えを最後まで聞く事ができなかった。
エレベーターが着き
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