第186話
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ウントドッグ》の奴らが拉致しに来たのだと打ち止めは思った。
それを聞いた麻生は軽くため息を吐いて、しゃがむと打ち止めに軽くデコピンを与える。
「痛い!、ってミサカはミサカはおでこを押えながら言ってみる。」
「馬鹿かお前は。
ミサイルを撃ってきて、それが着弾したらお前も即死だろうが。」
あっ、と思わず言葉が出る打ち止め。
もし打ち止めの拉致が目的ならあんな雑な攻撃はしてこない。
複数の部隊を編成して、部屋を強襲する方が効率的で確実だ。
では、打ち止めでなければ何が目的なのだろうか?
(おそらくは俺だろうな。)
襲う原因は分からないが、何となく自分が原因だと麻生は悟った。
「考えるのは後だ。
早く荷物を纏めて、ここを出るぞ。」
原因は不明だが危険な状況である事を理解した愛穂と桔梗は頷き合い、制理と打ち止めの手を取って部屋に入り、荷物を纏める。
こういう時に慌てず迅速に行動できるのも、警備員での経験で、桔梗は裏の世界を知っているからだろう。
その間に麻生は神経を尖らせながら、ゆっくりと部屋の扉を開けて、廊下を様子を窺う。
廊下には誰もおらず気配も感じない。
ひとまずは襲撃の心配はないだろう。
廊下を出て、すぐ隣の部屋のドアノブを回す。
鍵はしておらず、扉は開き中に入る。
最近まで生活していたという痕跡はあるが、人はいない。
さっきの食事の時に愛穂は毎朝会う隣人とは出会わなかった、と言っていたのを思い出す。
既に今日の朝から始まっていたのだ。
今から思い出せば奇妙な点はいくつかあった。
朝にしては付近の人影が極端に少ないなど、気づけるタイミングが幾らでもあった。
(ちっ、完全に平和ボケしているな。)
もっとしっかりしていれば再び彼女達を巻き込む事はなかったかもしれない。
だが、今は悔やんでいる時間はない。
一刻も早くここを出て、かつ彼女達を傷一つ負わせることなく脱出する。
部屋を出ると、愛穂達もボストンバッグに必要な物を詰めて出てきた。
愛穂と桔梗の手にはそれぞれ一丁の拳銃が握られている。
「お守りは持ったか?」
「ちゃんと持っているわよ。」
桔梗は首から下げている『護』と書かれたお守りを見せる。
制理や愛穂も同様に首から下げているようだ。
「ずるい!
ミサカだけ持ってない、ってミサカはミサカはジタバタしながら怒鳴ってみる!」
「言うと思ったよ。
ほら。」
いつの間にか麻生の手には愛穂達が持っているのと同じお守りが握られており、それを打ち止めに投げ渡す。
危ない手つき
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