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吾輩は猫である
外伝
if sts編
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「実はお店のコックさん達が全員入院したらしんだよ」


一体厨房で何が起きたというのだ。


「そのコック達に何があったの? 厨房が爆発でもしたのかしら?」


スバルはまた首を横に振った。


「なんかすごい客が来て、店員とコックが疲労と腱鞘炎で倒れたらしいよ」


何をされたというのか。


「客って何人だったの? 20? 30?」


スバルみたいな大食いが20以上来たらさすがに倒れるわよね。


「1人」

「え」


私の耳が可笑しくなったのかしら……。最近練習のしすぎで疲れたのねきっと。


「スバル、もう一回言って」

「1人」


聞き間違いじゃなかった。
1人の客が従業員を全滅に追いやったのだろうか。そんな人間居てたまるもんですか。スバルでもさすがに無理だ。……まぁ、昔ケーキバイキングで店長に泣きつかれたことはあったが」


「他の客が撮った動画がよう○べに投稿されてたよ」


スバルは手慣れた手つきでデバイスを弄り、映像を見せてくる。その映像には――


『ハムッ ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルゴックン次!』

『ひぃ!?』


わぁーお。
積み上げられた皿で姿は見えないが食べる音と横から渡される皿の量から凄まじさが伺える。
食べる音からして一啜りで1皿を平らげてる。食べてものがスパゲティをそばみたいに食べるって……。
皿を持ってくる店員の顔なんてもう疲労と怯えが浮かんでるのが分かる。


「これを見てどう思う?」

「すごく……恐ろしいです……」


あまりの食べるのが早すぎて皿タワーから飛び出してくる手がスバルの家で見せてもらった千手観音みたいだわ……。


『おかわり! イカ墨スパゲティ! おかわり! たらこスパゲティ! おかわり! クリームスパゲティ! おかわり! アラビアータ! おかわり! ペペロンチーノ! おかわり! ナポリタン! おかわり! カルボナーラ! 吾輩のおかわりはまだまだ続くぞ!』

『やめて!? もう従業員と材料のライフは0よ!』


周りの客に突っ込まれながらも食べるのを止めない。
だがパスタ系が終わったのか疲れながらも安堵した表情の店員が1皿持ってきた。その1皿を変わらぬ早さで食べた男は爪楊枝を一本とって止まった。


『ふぅ〜食った食った』


店員同士が泣きながら抱き合い、厨房からも歓声に近い声が聞こえる。


『次はステーキ系を2つずつね』

『』


その一言で店員が死んだ。


「ねえスバル、もし行く時は食欲を少し抑えときなさい……」

「……うん」


世界は広かった。そして、恐ろ
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