一章 八話 とある復讐者達の道
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は髭をボリボリ。
「うん、まあ、何ていうか・・・殺すって決めてるんだよ。あの男を裁く為なら、どれだけ善良な人でも、そこのフェイト君でも、仲間ですらも、ね」
「・・・!」
予想外だった。こんなにも甘っちょろそうな男が。
何としてでも復讐を成し遂げる。その意思には共感できる所がある。
というかむしろ尊敬する。
だが、
「ねえ、ラーク君、僕らのギルドに入らないか?」
「ムリだな」
それとこれとは話が別だな。
「良いんですか?復讐という目的の為なら、彼らの元へ行ったほうが良いんじゃ・・・」
聞いてきたのは、むしろ蒼い少女だった。
ジゼルはニヤニヤと見ている。
どっちも、俺を試してやがる。
「ダアホ、俺はレッドは殺しても、関係ねー奴らは殺さねーって決めてんだ。・・・一応な」
それを聞いたジゼルは、わはは、と笑った。
つか、笑いすぎだろ、こいつ。
「いやー、即答だったねー。フェイト君の予想通り」
「そうですねー。理由がちょっと予想外でしたけど」
なんだ、予想通りって。
左に立つ少女の幼い顔を見る。
そっぽを向かれた。
「・・・・つか、まさか今のが本題だったとか?」
俺が聞くと、ジゼルはよくぞ聞いてくれましたとばかりに大きく一つ頷いた。
「そうなんだよ、今日の目的はそんなんじゃない。」
奴は、言いつつ、右手を振ってウィンドウを開く。
「ねえ、僕と決闘ーーデュエルしないか?」
「はあ? 何で・・・」
急な話に戸惑う俺に、ジゼルは重ねる。
「拒否権はないよ。君、うちのギルメンを4人殺したろ?復讐のために死ぬのならまだしも、同じ目的を持つ筈の同士に殺されるというのは、彼らも納得がいかないだろう?」
要するに、仇討ちか。
あれ、もしかして蒼い少女はこいつを使って俺を殺そうとしてる?
などという自分の考えに戦慄する俺。
だが、目の前の男はどうもおふざけが過ぎるようだった。
「ま、ウソだよ。フェイト君からの頼み事だしね。流石に命まではとらないさ。”初撃決着”でどうだい?」
「・・・どういうことだ?」
後半はさして問題ではない。気になったのは前半。
まさか本当に蒼い少女主催だったとは。
それにしては目的が読めない。
俺を殺すのが目的なら、”全損決着”のモードを指定してくるはずだ。
俺は再び、隣の少女をまじまじと見つめる。
俺より頭一つぶん位は低い位置にある顔は、ツンとすましていて、何も読み取れない。
「あ、さっきも言ったけど、拒否権はないよ。」
黙りこくる俺に、見かねたジゼルが続けた。
「うちのギルド、目的のために、大人数で少数を潰す戦術に特化してるから、いくら君でも逃げ出すのはムリだろうから」
ジゼルがニコニコと共に言うと同時、俺の背後でズザッという靴音。
一筋の乱
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