崑崙の章
第11話 「お土産?」
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ら飲み込み、水をごくごく飲みほしました。
そして、だん、と茶碗を叩きつける魏延さん。
「〜〜〜〜〜っ! お、おひゃ、おひゃえなんて!」
「おひゃえ?」
「おひゃえなんて、じゃぃっぎじゃいじゃぁああああああああああああああっ!」
そう言って、泣きながら部屋を出て行きました。
「……なんだって?」
盾二様がきょとんとしています。
わたくしにも一体なんと言ったかわかりませんでした。
ただ、泣いている姿からして想像はつきますけど……
「……カレー食った後に水飲むと、余計に辛く感じるものなんだがなあ」
あらあらまあまあ……
―― other side ――
「厳顔が帰ってきたようじゃな」
「のようですな。なんでも劉表の下にいた黄忠も一緒だそうです」
「武人、黄忠か……やっかいなやつだな。やつは厳顔ほどバカではあるまい」
「だが、今はどこにも仕えてはおらぬ。あくまで厳顔を頼ってきたに過ぎんのだろう」
「しかしの、やつが厳顔の下についてはわしらが動きにくくなるのではないか?」
「ふむ……では、適当なところで排除するか?」
「待て待て。今は黄巾の残党のこともある。我々の倉庫や家財、それに商品を守る番犬は多いほうがいいだろう」
「とはいえ、厳顔以上に品行方正な上に聡明な人物との噂……我らの敵になりかねん」
「賄賂が通じん相手であることは間違いあるまい……ではどうする?」
「ふふふ……何を怯えることがあるのじゃ。やつは武人、ならば武人として栄達させれば良いではないか」
「黄忠に官職を与えると?」
「別に洛陽でなくともかまわん。やつに鈴をつければよいのだ」
「では……成都にまかせますか?」
「うむ。厳顔とは離したほうが管理しやすいだろう。どこにする?」
「そうだな……北に新しく出来た梁州のこともある。南充あたりの太守がよさそうだな」
「では、今の南充の太守は処理をするか……」
「あの太守は黄巾に殺されたことにすればよい。大して役にもたたんやつだったからの。黄忠が新太守ならば民も否とは言うまいよ」
「あそこ太守は、愚物な上に賄賂をせびるか搾取するかだからのう。いっそ一揆を起こさせるのも良いかもしれん」
「なるほど。それならば義に篤い黄忠なら……」
「ふむ。ではそれでよいかの、皆の衆」
「「「「異議なし」」」」
「よし……では」
「おまちを」
「なんじゃな?」
「厳顔の同行者ですが……男が二名、一緒に城に入ったようです」
「男……この女尊男卑の世界で男などなにができようか」
「侮るでない。宦官の張譲や、何進の例もある。何事にも例外はあるものじゃ」
「はっ……」
「それで?」
「はい。片方は五斗米道の華佗という医師です」
「ほう。
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