嘘つき
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蘭に電話してしてから十分後、どうやら水瀬君は今図書室に居るって返事が来た。
さっき会ったあの男を思い返して歩いていると今朝寄った小学校前にいた。別に目指していたわけではなく、学校に戻ろうと歩いていたら着いた先がここだった。
「あの子、怒られなかったかな?」
そこでふとそんな暢気なことを呟いていた。蘭の事をちゃんと知るきっかけになった女の子、今は家でお兄ちゃんの看病でもしているのかな?
いやそんな事考えている場合じゃないな、とりあえず今は水瀬君に会いに行ってあの物語について問い詰めないと。
ブ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ん?電話かな」
かと思ったらすぐに止まった、メールかな?
ポケットから携帯電話を取り出すとバッテリー切れだった。
「あ…………………」
そして思い出した、最初に携帯電話を取り出した理由を
「………お父さんに電話すればいいんだった………」
なんで気付かなかったんだろう?なんて思っても遅すぎた。
「しかたないな、なら学校に戻ろう」
そしててくてくと今朝通った道を思い出して繰賀中学校を目指す。
別に日向未来に会ったところで現状が解決するわけじゃないけど、あまりにも今の状況は非日常すぎた。
とりあえず中学校までの道のりで今自分に起こっていることをまとめてみよう。
一つ目、道に迷った
二つ目、隣の席の水瀬君が書いた小説の登場人物が目の前に現れた。
三つ目、その人はあたしの事を知っていた。
こんなところかな、今の状況では彼があたしになにかしら危害を加えることは無いと思うけど、いや違うかな、彼の目はまるで何かを隠し、抑えているような目だった。
あたしはあの目を知っている、だって………あたしはあの目を毎日見ていたから。
「……美咲お姉ちゃん……」
助けてよ………
あたしは、両手で自分の頬を挟むようにバチンと叩いた。いつもならこれで負けるもんかって思えるんだけど、駄目だった。
…急いで学校に行こう、水瀬君が帰っちゃう。
「あれ?君、さっき帰ってたんじゃないのかな」
気が付いたら前方五メートルの位置に彼が立っていて、場所は既に繰賀中学校に着いていた。
「……忘れ物、取りに来たんです」
しまった。
彼があたしを探して学校に来ることをまるで考えてなかった。
む、無視しよう。
そうだ、それがいい。
話さなきゃいけない訳じゃないし。
「それじゃ、転校生に会えるといいですね」
そう言ってそそくさと学校に向かう。
これでいい、彼だって私を止める理由が無い。
「もう部活動終わってるよ」
でもあたしを止める小さな声がした。
あたしは前を向くと、そこには同じクラスの幽霊みたいな女の
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