第三話 「イゼルローン要塞攻略作戦」
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目的はフェザーン制圧であって同盟領侵攻ではない事が告げられた。最悪の事態は避けられた。しかしフェザーンに帝国艦隊が常駐するということはイゼルローン回廊を防衛する艦隊戦力が少なくなったことを意味する。帝国はイゼルローン・フェザーン方面の二正面作戦を採用したのだ。だが同盟軍もフェザーン方面軍を編成せざるを得なくなった。二正面作戦で困るのはこちらだ。ふう。
「閣下、ヤン准将がお見えです。」
副官が訪問者の到来を告げてきた。士官学校のワイドボーンとのシュミレーションを思い出す。ヤンはこの事態をどう見ているのか興味をそそられる。
「そうか。通せ。」
「ヤン准将であります。お呼びとか。」
「そうだ。君は今回の事態をどう見ている?敵の意図がこちらの兵力を分散させる事にるのは明白だ。長年恐れていた事が現実になってしまった。」
「はい。同盟の人口が帝国と同等になれば条件は帝国も同盟も同じですが人口少ないぶん同盟が不利です。フェザーン自治領を復活させなければ不利なのは同盟です。フェザーン市民は独立・自由の気風が強い。フェザーンの自治を望む商人は多いでしょう。そこにつけこんで同盟の軍事力でこれを支援する事が考えられます。」
「フェザーンを正式に独立国にすると言う事かね?」
「はい。非武装中立は軍事力があって始めて可能になります。したがってフェザーンが独立した場合は軍事力を持つでしょう。フェザーンの莫大な財力を持ってすれば恒星間の艦隊戦力を有することは可能です。艦隊の建造は同盟が請け負う必要がありますが。そして独自の軍事力を持てば帝国と同盟にたいして発言力が増します。フェザーンはこれまで通り帝国と同盟を戦わせれば良いのです。そしてフェザーンはイゼルローン回廊で戦闘が発生することを望むでしょう。」
「其の場合はフェザーンはどうやって帝国軍のフェザーン再侵攻を防ぐのかね?帝国から見ればフェザーンは裏切り者だ。」
「フェザーンは門閥貴族とも取引があります。帝国・フェザーン間の取引が全て停止すれば帝国経済は大打撃を受けます。軍事力を維持する経済基盤に直接ヒビが入るのです。帝国にフェザーンとの取引を認める代わりに帝国軍はフェザーンに再侵攻しない条約を結ぶのです。」
「なるほど。独立国フェザーンは帝国軍の侵攻を商取引で防ぐわけか。フェザーンらしいやり方だな。ただそのためにはフェザーン回廊付近でフェザーン独立戦争の勃発か。やれやれアタマが痛い。勝利すれば自由惑星同盟・フェザーン国の同盟関係が成立し帝国は窮地に立たされる。しかし我が軍が負ければ同盟軍は大打撃を受ける。少なくなった戦力でイゼルローン・フェザーンの二正面作戦を取らねばならなくなる。敗戦は必至か。」
「その通りです。だからフェザーン独立戦争は大きな賭けになります。起
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