第76話
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雷撃の槍を次々と放ってきた。
「う、うおおっ!!
こ、こんな大規模なとばっちりを受ける前に逃げて逃げてそこの女の子!
ここは俺が食い止めるから君はさあ早くーっ!!」
上条はやたらめったらに右手を振って雷撃の槍を弾き飛ばす。
その背後ではさっき助けた女の子が、ありがとうございましたそしてごめんなさい、と叫びつつペコリと行儀良く頭を下げて、物凄い速度で戦線離脱していく。
上条は振り返らず、そして静かな声で言った。
「ふう、あれだけ元気いっぱいなら、とりあえずは大丈夫そうダゼ。」
「アンタ、人様の競技で潜ってナニ格好つけてんのよ。」
喧騒の中、みことはおでこに手を当てつつ、ぐったりと脱力する。
そのまま、手近の七本目のポール籠に、小さな手をつけて寄りかかろうとしていた。
「ストップ!待て御坂!!」
「な、何よ?」
美琴は思わず手を引く。
上条は美琴の顔を見ないで、そのまま七本目のポールを観察している。
御坂美琴が手をつこうとしていた高さの位置に、何かがある。
板ガムぐらいの大きさの・・・長方形の厚紙だ。
ここからでは読めないが、何か細かい文字が書いてあるような気がする。
(単語帳のページ!?
まさか「速記原典」の正体ってこれの事だったのか!!)
上条の背筋に冷気が突き抜ける。
嫌な予感が一気に身体中を駆け巡り、彼の身体を硬直させる。
(そういう事か・・・・土御門は迎撃術式に特別な「速記原典」を使ったって言ってたけど、そうじゃねぇ。
オリアナの単語帳のページ、あれが一枚一枚全部「速記原典」なんじゃねーのか!?)
まずい、と上条は思う。
上条と美琴の距離は、およそ一メートル五〇センチほど。
近いと言えば近いが、手を伸ばして届く範囲ではない。
上条は何とかして美琴をその場から離れさせようと説得する。
「良いか、御坂。
訳は後で話すから、そこから離れるんだ。」
「はぁ?アンタいきなり何言ってんの?」
案の定とでも言うべきか、美琴は眉をひそめる。
「あのね、今のアンタが人に命令できる立場な訳?
アンタ、何でこんなとこにいるの?
あいつも一緒じゃない所を見ると、もしかして本当に妨害にきたわけ?
なんかポールも倒れちゃってまともに競技が進むかも分からない状況になっちゃってるし、ちゃんと説明してほしんだけど。」
「後で説明するから、だからそこから離れてくれ!!
そのままじゃあ、お前が危険なんだ!!」
「な、何よ・・・・・わ、分かったわよ、離れればいいんでしょ、離れれば。」
上条の必死の説得が届いたのか、少し戸惑いながらも上条の方に近づいてくる。
それを見た
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