暁 〜小説投稿サイト〜
とある星の力を使いし者
第76話
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に至る危険性もある迎撃魔術。

「クソッ!!」

土御門は慌てて集団に向かって走る。
上条もその後を追おうとしたが、ふとその足の動きを止めた。
ぐらり、と五本目のポール籠が大きく揺れる。
五本目のポール籠が横に倒れていき、隣にあった六本目のポール籠に激突する。
六本目のポール籠も揺れて、倒れていく。
金属製のポール籠が倒れていく先に、常盤台中学の女の子が立っていた。
両手で紅組の玉を持ったままの少女、ポカンとしたまま、目の前にゆっくりと向かってくる重さ三〇キロ超の鈍器を眺めていた。
まるで、突然やってきた事態に頭が追いついていないように。
上条はそこへ向かって走るが、五本目のポール籠で将棋倒しを起こした男子生徒達が限りなく邪魔だ。

「ちっくしょう!土御門ッ!!」

上条は叫ぶと、五本目に向かっていた土御門の背中を踏んで一気に将棋倒しのエリアを飛び越える。
高く跳んだ上条は、空中でバランスを崩したが、そのまま女の子のランニング状の体操服の首の後ろを掴む。
ろくに受け身を取らずに地面へ激突し、しかしその勢いを使って女の子を横方向へと強引に引っ張って移動させて、倒れてくるポール籠の軌道から逃した。
その時、少し離れた所で、能力による炎弾が爆発した。
倒れつつあった六本目のポール籠が、爆風に煽られて上条達の方へと進路を変える。
金属バットの数十倍もの重量が勢い良く襲いかかってくる。

(くそ、避けた先に起動修正してくるんじゃねぇよ!!)

地面に倒れ込んだ直後の不安定な姿勢では、続けて飛ぶ事など不可能だ。
上条はせめてこの女の子だけでも逃がそうと腕を伸ばした時だった。
勢い良く落ちていたポール籠がいきなり空中でピタリ、と停止したのだ。
上条はすぐさま周りを見回す。
こんな能力が飛び交う中でこんな事が出来る人は限られてくる。
すると、生徒の人混みの間から麻生がこちらに向かって手を突き出しているのが見えた。

「恭介。」

上条は思わずその男の名前を呟く。
次の瞬間、ゴォン!!という轟音と共に、六本目のポール籠が真横に跳ねた。
オレンジ色の光源に弾かれたポール籠は真っ二つに引き千切られ、地面を何回も跳ねて、何十メートルも滑っていく。
周りの生徒達は思わず身を屈めたが、数秒も待たずに再び戦乱状態へと戻っていく。
超電磁砲(レールガン)
音速の三倍もの速度で弾丸を撃ち出す
ふらふらと振り返った上条当麻が見たのは、銀色のコインを親指で弾いて全身からバチバチ火花を散らしている常盤台中学のエース、御坂美琴の姿だった。
目が合う。
えへへ、と上条は力なく笑う。

「ったく・・・アンタ達はそーこーまーでーしーてー私に罰ゲームを喰らわせたいって言うのかしらーん!?」

と同時に、美琴は迷わず
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ