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久遠の神話
第四十八話 会食その八
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「始皇帝の秦もです」
「その国もですか」
「始皇帝は一説には目が青く髪や髭は赤かったそうです」
「あれっ、それって」
 アジア系の特色ではない、明らかにコーカロイドの特色だ。
「どう考えても」
「始皇帝は鼻は蜂の様だったと言われています」
 つまり鼻が高かったというのだ。
「これもですね」
「そうですよね。アジア系の特色ではないですね」
「ですよね」
「これが二千年以上前でそれから五胡十六国時代に北や西から多くの民族が入ってきました」 
 ここでも混血したのである。
「隋や唐も厳密には鮮卑の国です」
「やっぱり漢民族じゃないんですか」
「どちらの皇室も漢民族と主張していたそうですが」
「異民族にルーツがあったんですね」
「それで宋代から相手に征服王朝が入りました」
「モンゴルも来ましたね」
 上城から言った。
「元になって明から清になって」
「そうして色々な民族が入ったので」
「漢民族は混血しているんですね」
「時代によりかなり変わってもいます」
「何か複雑なんですね」
「漢民族は混血民族です」
 大石は言い切った。
「ですから体格も様々なのです」
「そうだったんですね」
「例えばその項羽はかなりの大男だったと言われています」
 力は山を抜き、気は世を覆う。それに相応しい体格の持ち主であり二メートルに達していたとも言われている。
「孔子も二メートルあったそうです」
「孔子もですか」
「そうかと思えば小柄な人もいますので」
 他の民族と比べて体格の違いが顕著だというのだ。
「中国では一口では言えませんが」
「南方と北方ではですか」
「違っています」
「成程。そういえば暑い場所には大柄な人が少ないかも知れないですね」
「そうした傾向があります」 
 大石は確かな声で上城に話す。
「剣士の方はどなたも長身ですが」
「僕もですね」
「上城君も一七七はありますね」
「はい、あります」
 上城は実際にそうだと答える。
「最近また伸びまして」
「そうですね」
「戦うからには体格も見られているんでしょうか」
「どうでしょうか。ただ戦うにあたって体格は影響します」
 このことは事実だった。
「しかし剣士は体格ではなくその心を見られているので」
「だからですか」
「特に関係はないと思います」
「じゃあ僕達が皆背が高いのは偶然ですか」
「そうではないかと」
「そうですか」
「ただ。上城君はまた背が伸びられたのですか」
 大石は彼自身のことを尋ねた。
「今以上に」
「何か伸びていってきてます」
「それ以上大きくなると心配ですね」
「心配ですか?」
「私も背は高いですが」
 少し笑って言う大石だった。
「それでもそれ以上大きくなられると」
「大石さんより
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