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万華鏡
第三十五話 厳島神社その二
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「そちらになるのよ」
「そうなのね」
「そうなの、関東から秋田に移ったのよ」
 こう景子に話すのだった。
「どっちかだけれど」
「それで彩夏ちゃんはどっちでゲームしてるの?」
「佐竹家よ」
 こちらだというのだ。
「関東にいるけれどね」
「何か渋いわね」
「でしょ?すぐに伊達か北条と争うから」
 いる場所の関係でそうなるというのだ。
「で、どっちか破っても武田信玄とか上杉謙信がいるから」
「信長でやるみたいな感じね」 
 信長の場合は伊達ではなく今川になる。
「それって」
「けれど織田信長だと家臣いい人多いでしょ」
「領地もいいしね」
「楽じゃない、けれどね」
 佐竹はというのだ。
「弱小大名は辛いから」
「佐竹って弱いの?」
「織田家と比べたらね」
 戦国ゲームの主役と比べるとだというのだ。
「北条家とかと比べてもね」
「いや、北条強いでしょ」
 戦国ゲームの強豪の一つである、天下を狙えるまでに。
「あそこは」
「強過ぎるわよ」
 彩夏は佐竹家の立場から言う。
「ちょっと以上にね」
「ううん、佐竹家って弱いのね」
「織田家と比べたらね」
「何か織田家にこだわるわね、彩夏ちゃんって」
「だって皆戦国ゲームは織田家でやるでしょ」
「まあね」
 景子もこのことは否定しない。
「私もだし」
「関西でもね」
「関西も織田家だったから」
 かつては細川家や三好家だった、しかし織田家が上洛してからはこの家の勢力圏に収まっていったのだ。
「それでね」
「やっぱりそうじゃない」
「美優ちゃんは沖縄だけれど」
 彩夏はここで美優を見る、彼女はというと。
「沖縄は違うから」
「ああ、薩摩は置いておいてな」
 美優も沖縄と因縁のあるこの家のことはあえて言わない。
「琉球は尚氏でさ」
「また違うわよね」
「ああ、王国だったんだよ」
「だから戦国時代とはあまり縁がないから」
「そうしたゲームをする時は信長でやるよ」
 そうしたことで彼女も織田家でやるというのだ。
「そうしてるんだよ」
「そうよね、他の娘達も」
 皆関西出身の関西育ちだ、その織田家の勢力圏になった。
「間違っても三好家や細川家でやらないわよね」
「足利幕府とか本願寺とか筒井家もあるけれど」
 里香は一応こうした家や寺社勢力の名前は出した。
「けれどね」
「そうよね、織田家よね」
「だってどの家も影が薄いから」
 それでだというのだ。
「織田信長でするわ」
「ほら、皆そうじゃない」
「そう言われてもね」
 里香もこの話題については難しい顔で言うしかなかった。
「ご当地だとね」
「秋田の戦国大名はねえ」
「仙台羨ましいって思ったりするの?」
「思うわ」
 実際にそう思うとだ、彩夏は
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