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とある星の力を使いし者
第74話
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の事もあるが、それでもまだ分からない部分が多い。
だが、それでも麻生の能力はそれ以上に謎が多すぎる。
一体どんな能力なんだと、考えながらもう一つの体操服に着替える。
結局、幾ら考えた所で分かる訳がなかった。
競技開始まで残り三分弱。





御坂美琴は土できた校庭に立っていた。
最新鋭の設備を持つ常盤台中学に慣れている身としては、不規則な凸凹があり、衝撃の吸収効率も場所によって異なる土の競技場というのは逆に新鮮だ。
少し風が吹くだけで砂埃が舞う、こんな西部劇みたいな場所で、果たして精密な能力測定などできるのだろうか、と思う。
あるいは、不規則な地形を想定した実戦的な訓練所かもしれない。
大覇星祭は表向きは祭りのように感じられるが、裏ではきっちりと一人一人の生徒の能力を測定している。
どんな状況でも能力を発揮できるのかなど理由は様々だ。
常盤台の生徒数は二〇〇人弱と少なく、しかも生粋のお嬢様という常盤台中学の陣営は、見た目には華奢を通り越して可憐にすら映る。
観戦席にカメラの数が多いのも、その実力よりも、単に華になるという意図が強い。
しかし、それは学園都市の「外」から見た意見。
学園都市の「中」から見た意見は、全くの逆だ。
常盤台中学のお嬢様が戦うというのは、つまり最低でも強能力者(レベル3)が、最高では超能力者(レベル5)までが参戦する事を意味している。
いかに数や体格に差があっても、笑顔でイージス艦を沈めかねないほどの令嬢軍団相手に楽観などできる筈もない。
事実、土の校庭の向こう側・・・玉入れ用の、ポールのついた籠を挟んだ反対側にいる対戦相手の中学校は生徒総数二〇〇〇人を超えていたが、何やら悲壮な覚悟にも似た異様な雰囲気に包まれているのが遠目にも分かる。
美琴はその二〇〇〇人を超える生徒の中で見覚えのある顔を見かけ、両手を腰に当て、前髪から全身からバチバチと青白い火花を散らしている。

(・・・・・・一体何なのよ。)

見覚えのある顔の人物はご丁寧にも相手中校の体操と同じ物を着ていた。
勝負に関してはやる気がないと思っていた。
あの棒倒しでもどうせ気まぐれなのだと思っていた。

「うん?・・・・もしや、あそこにいらっしゃるのは麻生さんではありませんか?」

と、他の常盤台の生徒が麻生の顔を見かけたのかそう言った。

「何をおっしゃっていますの。
 麻生さんは高校生、相手は同じ中学生ですわよ。
 麻生さんがいらっしゃる訳がありませんわ。」

「おかしいですわね・・・・見間違える筈はないのですが。」

「あらあら、お顔を見間違えにならないくらいに麻生さんの顔を見ていたのですわね。」

「う、うるさいですわよ!!」

「でも、麻生さんに似た人物ならわたくしも見ました
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