第74話
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の体操服は高校生だろう。
運営委員か関係者でなければ此処を通す事は出来ない。
応援がしたければ、応援席にでも行ってくるんだな。」
警備員の一人が麻生に言う。
しかし、その言葉を聞いても麻生は真っ直ぐこちらに向かってくる。
「おい、聞いているのか。
聞いているのならへんじ・・・・・を・・・」
一人の警備員が麻生の眼を見た瞬間、言葉が続かなかった。
他の二人の警備員も様子が変な事に気づきこちらにやってくる。
「おい、どうした。
何があった?
貴様、一体なに・・・・を・・・」
他の二人も麻生の眼を見ると言葉が続かなかった。
上条と土御門は警備員の様子の変化に首を傾げる。
そんな事を気にせずに麻生は三人の警備員に言う。
「これから俺達三人は此処を通るが気にしないでくれ。
俺達を見逃していつも通り警備をしてくれ。
あと、この会話は完全に忘れるんだ、いいな?」
「「「はい、分かりました。」」」
色のない瞳のまま三人の警備員はまるで機械のように予め決められたかのように言葉を言った。
そのまま麻生は裏門を通っていく。
上条と土御門は何が起こっているのか分からないが麻生についていき、どうなっているのか聞く。
「おい、恭介。
あの警備員に何をしたんだ?」
「暗示をかけただけだ。
内容はさっきも言ったが俺達を見逃して、その事を忘れる。
簡単に説明すると軽い洗脳だと思ってくれればいい。」
麻生の説明を受けて上条は驚きを隠せてない。
対する土御門はヒュ〜、と口笛を軽く吹いて、言った。
「あの数秒の間で三人も暗示をかけるなんてさすがだぜい。
どうやったんだにゃ〜?」
「俺の能力で自分の眼を魔眼に変えただけだ。」
「本当に麻生の能力は不思議で一杯だにゃ〜。
そんなに簡単に自分の眼を魔眼に変える事なんてできないぜよ。」
「できてしまうのだから仕方がないだろ。」
それだけ言うと、麻生は近くにいる男子中学生の姿を注意深く観察する。
次の瞬間、麻生の左手にはその男子中学生が着ているのと同じ体操服を持っていた。
麻生は乱暴に上条と土御門にその制服を投げ渡す。
「それに着替えろ。
中学生になりすまして、紛れ込むぞ。
その服だと目立つからな。」
そう言いながら麻生は指を鳴らすと自分の着ている体操服が一瞬でさっきの男子生徒の体操服と同じ体操服に変わる。
麻生の能力で作った筈なのに、上条の右手が触れても何も起こらない。
上条は自分の右手の能力である幻想殺しは分からない事が多い。
記憶喪失
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