第五章 StrikerS編
第百三十話 『ティアナとのお話(前編)』
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シホさん、アルトリアさん、ネロさんは口々にティアさんを褒めている。
これを聞けばティアさんも思い直すと思うのにな。
「私からしても才能があるのは羨ましいくらいなのにね。私、魔術や武術の才能はないから…」
「…え? シホさんって、才能はないんですか!?」
信じられない。シホさんは私からすればかなり才能はあると思うのに。
「ええ。シホには剣や魔術の才能はほとんどないのですよ?
今は色々と事情もあって様々な魔法を使えますが、それでも師匠の人達全員からどこまでいっても二流を越えられないだろうと言われてきたんですよ。シホは…」
アルトリアさんの言葉も信じられない。
「で、でもシホさんって『魔弾の射手』って呼ばれるくらいの腕を持っていますよね?」
「この弓の腕もだけどね。私のは魔術や魔法の腕は後付けみたいなものなのよ。
昔に話したわよね? 私は昔に災害で一度心を壊したって…。
私の弓の腕はね、それが原因ですぐに心を空にできるから異常な精度を持てるのよ」
「心を空に…」
「うん。それでそれ以外の私の技術はほとんどがツギハギの腕で戦場で何度も繰り返していくうちに身に付いたシグナム風に言うなら謂わば長年の努力と修練の賜物なのよ。
でも、ティアナにはそんな厳しい道には入って欲しくない。
だから無茶はダメだって言い続けているのよ。
なのはも昔に無茶をして一度体を壊したから、無茶をし続けるのはダメだっていう思いは誰よりもわかっていると思うから…」
「なのはさんも…」
「ランよ。力というのはそんなに簡単に身につくものではない。だが無茶をしてまで身につける力はいずれ身を滅ぼす。それを覚えておいてくれ」
ネロさんの言葉には妙に説得力があった。
「はい…」
それで私は素直に答えておいた。
それがきっと正解なんだって。
「叱ってもらえるうちが一番幸せなのよ? 私は、その言葉も無視して昔は駆け抜けてしまっていたから…」
シホさんはそう言ってどこか寂しくて遠い目をしていた。
やっぱりシホさんの過去というものを知りたい。
レンと一緒に私達の家族になってくれたシホさんの過去を。
そんな想いを抱きながら私は自分の部屋に戻り、就寝した。
そして早朝の四時過ぎ。
隣のスバルさんとティアさんの部屋から物音が聞こえてきた。
それで悪いと思ったけど盗み聞きしてみると、どうやら二人で内緒の訓練を開始するらしい。
そしてなのはさんの早朝訓練の時に、
「それじゃ引き続き個人スキルね。基礎の繰り返しになるけど、ここはしっかりと頑張ろう!」
なのはさんの言葉に、スバルさんとティアさんはかなり大きい声で反応していた。
それになのはさんは「元気が出たようだね!」と声を出していたけど、反面シホさんは少し険しい顔
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