第五章 StrikerS編
第百三十話 『ティアナとのお話(前編)』
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…」
「ティアナはそれで躍起になっているのよ。
きっと証明したいのよ。
お兄さんの教えてくれた魔法は役立たずじゃないって事を…。
それにティーダさんの体はまだ処置すれば助かる見込みがあった傷の状態で誰かに奪われてしまったらしいのよ」
「そうなのか…」
私はそれで過去を思い出す。
ティアナはやっぱり私の過去にかぶるところがある。
それで糸口が見つけ出せずにもがき苦しんでいるんだ。
今も、きっと無茶をし続けている。
「シホちゃん…」
「なに、なのは?」
「シホちゃんはやっぱり自分とかぶるとか思っているんでしょ?」
「まぁね…養父の願いという点では私とかぶるわね。
だからティアナがまた無茶をしようとしたら、それがどんな事かを叩き込もうと思う…」
「叩き込むって…」
「物騒だな…何をする気だ?」
「なに、別に。
私やなのは達の教導の意味を教えたいだけよ。
なのはが目指している教導の事も教えたいしね」
「そう…」
そう言ってお話はそこで終了となった。
◆◇―――――――――◇◆
Side ラン・ブルックランズ
お風呂でスバルさんからティアさんの事を詳しく聞いて、やっぱりティアさんは無茶をしているんだな…と率直に思った。
私も家族を失ったけどシホさんのおかげでそこまで思いつめることはなかったからこうして余裕を持っていられる。
だけど、もしシホさんがいなかったら私とレンは世界を恨んでいたかもしれない。
だからティアさんは今まで人一番頑張ってきたけどそれが身についていないと思って焦っているんだと思う。
なのはさんの教導は確かに派手じゃないけど、でも基本に忠実だしわかり易い。
シホさんの教導も決して無茶はしてはいけないというのを徹底しているし。
なんでもシホさんが言うには反面教師だという。
昔、シホさんも無茶をしていて死にかけた事が何度もあったという。
だから私達にはそんな思いをしてもらいたくないのだろう。
隊舎の中を歩いていて、ふと外を見るとティアさんがいまだに訓練をしている光景を目にする。
ヴァイス陸曹が何度か言葉をかけてこちらへと戻ってきた。
「…ヴァイス陸曹」
「見ていたのか。ラン」
「はい。ティアさんはどうでした?」
「かなり思いつめてんな、ありゃ…。
俺からすりゃ羨ましい位の才能をあいつは持ってんのにな」
「シホさんもティアさんの射撃の腕は前に褒めていました。あれは伸びるって…」
「シホさんがね。シホさんから褒められたんなら相当のもんじゃねーか。
知ってるか?
シホさんの二つ名は『魔弾の射手』。
だから射撃型のほとんどの魔導師からすれば憧れの的なんだぜ?」
「はい、知っています。私にそんな二つ名は恐れ多いと言ってくるくらいで
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