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ファイアーエムブレム〜ユグドラル動乱時代に転生〜【外伝】
とある騎士の昔語り---その2---
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て宿泊所の提供を命じる命令書を別に作成する必要があった。
陽光に当たれば輝きが反射する剣と甲冑、盾にはへこみの一つも無いのは日頃持て余した時間を手入れに注ぎ込んでいるからだ。
彼が故郷から王都へ上った時に着用していた鎧とは異なり、叙任された時に貸与されたもので、不思議と彼の寸法と一致していたが赴任してからというもの着る機会は滅多にない。
野外活動の多いこともあり甲冑は動きにくいからだ。
それゆえ自前の鎖帷子と皮革をベースにした部分鎧の組み合わせである事が多く、今回の出撃もそれで済ます予定ではあるが、やはり甲冑には特別な思い入れがあるだけに手入れを怠る訳には行かないのだ。
鞘に納めた長剣はその前に丹念に布で磨かれ、納まる際に鳴らした小気味よい音を楽しめたのは眠ろうとしている彼のみであった。
いまだ妻帯していない彼であったが、女っ気が全く無いかと言えばそうでは無く、各村で歓待を受ける場合にいい目に遭うこともままある。
だが、仮に今日そういう相手が居たとして任務を目の前に控えていたが為に自重する程度の節度は持ち合わせていたであろう。
寝酒すら控えて寝台に横になった彼は不思議と目が冴え、仕方ないとばかりに酒瓶に手を出そうとしたところ予想だにしない知らせを受けた。
行方不明者を出したシィス村に巨大な怪物、おそらく大熊が現れたと……
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