第2話 =衝撃の事実=
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にある細い横線そのもの、だと宣言された。これが空っぽになり表記されている数値、ヒットポイントが0になった瞬間ナーヴギアに脳を焼かれて死ぬ、そう茅場はアナウンスした。
この瞬間から、このゲームはデスゲームとなった。
なんども負けてコンティニューを繰り返して相手の行動パターンを学んだり、プレイヤースキルを高めていく種類のゲームなのに、一度っきりの死亡ですべてが終わる。その上、やめることは許されないなんて。
「……ふざけん、なよ……」
自ら身を危険にさらし、死ぬかもしれないフィールドに出る奴なんてどこにいる。高度な自殺志願者くらいしかいないだろ、そんなの。
『諸君がこのゲームから解放される条件は、たった一つ。先に述べたとおり、アインクラッド最上部、第100層まで辿り着き、そこに待つ最終ボスを倒してゲームをクリアすればいい。その瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しよう』
だが、茅場はその思考をも見通して、アナウンスを続けた。
どこかにある城ではなく、今俺たち全員の上に立っているこのステージを100層クリアしろ、そういったのだ。だが、キリトの話ではベータテストでは1000人のコアなゲーマーが挑んでも6層までが限界だったと聞いた。それを一度も死なずに100層までクリアするなんてどれほどの時間がかかるのか。
張り詰めた静寂が低いどよめきに変わってゆく。しかし、そのすべてが恐怖に包まれているというわけではない。おそらく、プレイヤーのほとんどは今の下りが本当のことなのか、イベントのOPなのか判断しかねている。
最初は俺も過剰なイベント告知だと考えたが、隣のキリトの反応がそうではないということを物語っている。
『それでは最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれたまえ』
「プレゼント?……なにこれ?」
なれない動作でメニューを開きアイテムストレージをみる。アイテムストレージを見てみれば、さっきまでなかったはずの手鏡と言うアイテムが入っていた。俺はそれをタップしてオブジェクト化する。キラキラという効果音と共に小さな四角い鏡が出現した。
それを手にとって見てみるが、そこにはいつも俺の顔をもとに作ったアバターの顔があった。……ぶっさいくな顔だな、こんなことならどうして俺はアバターをかっこよくしなかったのか、髪色を変えてみたりもうちょっとキリッとさせてみたり、などくだらない考えが頭をよぎったとたん、白い光が鏡を見ていた俺を包み込んでいった。
一瞬、目の前が白にそまり何も見えなかったが、白の光が晴れるとそこは先ほどと何も変わらない町並みが広がっていた。いや、もう一度見渡すと何かが違う。
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