暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
兄妹喧嘩〜
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・・


「・・・」

「・・・」

時が止まった。全てが止まった中・・・金属音と何かが倒れる音で再び時が動いた。

「ふぅ・・・」

振り返り、仰向けに倒れるリーファに向かって口を開く。

「・・・百本勝負は俺の・・・勝ちだな」


「・・・あーあ」

リーファは一度ため息を吐いてから・・・笑った。

「・・・負けちゃった」

しばらく、二人で笑いあってから・・・・・俺はリーファに手を差し出した。

「ほら」

「ん・・・ありがと」

俺はリーファを見る。

「・・・気持ち、通じた?」

「・・・うん。とってもまっすぐだった。まっすぐで・・・強かった」

「・・・じゃあ、今の内に俺が直葉に対して今まで感じていた気持ちを白状しとくよ。実はさ・・・俺、直葉に恨まれてると思った」

「え!?」

「俺が剣道を止めたせいで直葉は他にやりたいことがあってもやれなかったんじゃないかって・・・」

「そ、そんなこと・・・!」

「ああ、なかった。それは普段の直葉や、今の太刀筋を見れば充分伝わった。・・・好きで剣道続けたんだなって。・・・きっと俺の不安を直葉は勘違いしちゃったんだと思う。当然、俺も勘違いしてた訳だけど」

「・・・」

「でもさ、こうやって本気で戦ってお互いの気持ち吐き出して・・・スッキリした。なんて下らなかったんだろうってね」
「亮お兄ちゃん・・・」

「・・・スッキリついでに、言うよ」


俺は手をもう一度差し出す。

「もっかいやり直そっか。今度は後腐れなく、後ろ髪引かれることもなく・・・誰が見ても仲良しな兄妹に・・・戻ろっか」

リーファは・・・俺の手を掴んだ。

「うん。また一杯剣道の話しとかして、変なことで笑って、今までの分亮お兄ちゃんと・・・仲良しになろう?」

・・・さて、と。後は・・・

「しかし、直葉が和人のこと好きなんてな・・・」

「ぶはっ!・・・な、なな何でこの空気で言うかなぁ・・・」

するとリーファはバツが悪そうに下を見る。

「やっぱり・・・変かなぁ」

「いや、いいんじゃないか?・・・まぁ、マジな兄妹なら止めに入るけどな・・・本気で好きなら全力でぶつかれ。撃沈したら好きなだけ泣いて次の恋を探せ・・・人間だし、どんな恋愛をしてもいいんじゃないか?」


「・・・そう、かな」

「ライバルが強すぎるけどな。とんでもなく強敵だぞ」

「でも・・・やっぱり諦められないよ」

「そこまで決意が強いなら行ってこい。・・・兄貴とも話をつけるんだろ?」

「うん。じゃあ、行ってくるね」

「おう。頑張ってな」

リーファはそう言って飛んでいく。俺はそれを見送ってから座る。
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