兄妹喧嘩〜
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「・・・わかった。あたしも・・・そうする」
リーファも剣を構えた。
「リーファ・・・いや、直葉。あん時の決着、つけようぜ」
子供の頃に競いあった・・・お互いの意地をかけた試合。
「うん・・・いくよ!」
ガキャアン!
お互いが取った行動はまったく同じ・・・真っ正面からの縦斬りだ。リーファがすぐに刀を返し、胴を狙うが、俺は半歩後退りをしてそれを回避。その隙を狙って突きを放つが、勢いに任せて回転斬りを放った刃に弾かれる。・・・お互いに飛ぶ気はなかった。いや、そんな余裕はなかった。
「らぁぁぁぁ!!」
「やぁぁぁぁ!!」
動きの予測なんてしない。ただ振るわれたら防ぎ、振るったら防がれる。お互いの反射神経をフル活用しての斬り合いだった。もし他人がいれば演舞か何かだと思うだろう。それほどまでにお互いの力は拮抗していた。
「ふっ!」
「っ!?」
リーファの突きが頬を掠った。だが怯まずに横に振るう。・・・リーファの腕を浅く斬った。決定打こそないものの、徐々に・・・徐々にお互いのHPと集中力を磨り減らしていく。
「っおお!」
「たああ!」
得意の体術は使わない。あくまで俺の目的は迷いの無い太刀筋でリーファに・・・直葉に後ろめたい気持ちがないことを証明すること・・・
「(ただ・・・まっすぐに!)」
体が軽くなり、更に速度を上げる。周りの景色が消え、リーファだけが視界に映る。
「ずぇぇぁぁ!」
ヒュン!
「・・・っく!?」
突きを避けたリーファの体制が崩れた。
「らぁっ!」
全力の縦斬り。
ガキィン!
「っ・・・あ・・・!」
さすが、というべきかリーファはすぐに防御に刀を回し、防いだ。だが・・・ラッシュは終わらない。
「ややややっ!!」
斜め、横、縦。可能な限りの斬撃がリーファに迫るが、リーファはそれを的確に捌いていく。
「(凄いよ直葉・・・今の俺は本気なのに・・・!)」
別世界の人間と遜色のない戦闘能力。ここで油断をすれば流れを持ってかれる。
「たぁぁ!」
ビュン!
「っ!?」
攻めに転じていた俺はリーファの一撃を避けきれずに胴に掠るが・・・どうやら、先に集中力を切らしたのはリーファだったようだ。
「っおぉぉああっ!」
思いきり切り上げる。
ザシュ!
「っ・・・!?」
リーファは当たる直前に後ろに跳び、直撃は避けたようだが・・・
「逃がすか・・・!」
ここで決めなきゃチャンスはやってこない。俺は足に力を籠め、思い切り地を蹴った。
「これが・・・俺の思いだぁぁぁぁ!!」
すれ違いざまに・・・全力で迷切を振り抜いた・
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