兄妹喧嘩〜
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そこには涙を流す直葉がいた。
「直葉・・・」
「あたし・・・あたし・・・あたし、自分の心を裏切った。お兄ちゃんを好きな気持ちを裏切った」
その言葉に俺達を驚いた。その表現は兄妹愛での“好き”じゃなかったからだ。
「全部忘れて、諦めて、キリト君のことを好きになろうと思った。ううん、もうなってたよ。・・・なのに・・・それなのに・・・」
「好き・・・って・・・だって、俺達・・・」
和人の疑問は最もだが・・・続く直葉の言葉を聞いて、納得した。
「知ってるの」
「・・・え・・・?」
「あたしももう、知ってるんだよ」
それが何かなんて聞く必要もなかった・・・
「あたしとお兄ちゃんは、本当の兄妹じゃない。あたしはそのことを、もう二年も前から知ってるの!!」
・・・そうか、そうだったんだ。それなら・・・きっと直葉の感情はおかしくない。血は繋がっていても、本当の兄妹じゃない異性。ましてや直葉は年頃だ。・・・気になって、“恋”に発展するのもあり得なくないんだ。・・・ふと、直葉が俺を見た。
「亮お兄ちゃん・・・知ってたんでしょ・・・お兄ちゃんのこと・・・」
「・・・うん、SAOで教えて貰った・・・」
「そっか・・・」
続く直葉の言葉に・・・俺は絶句した。
「亮お兄ちゃん、内心で笑ってるんでしょ?」
「え・・・」
いきなり、何を・・・
「愉快だもんね。こんな状況・・・笑っていいんだよ?」
「な、何言ってるんだ。こんな状況で・・・」
「だってそうでしょ!?」
「・・・!?」
「この間はああ言ってたけど・・・嘘だよ!“亮”は絶対にあたしを恨んでるんだ!目を見えなくしちゃって、剣道も続けられなくなっちゃって・・・!」
「そんな訳ないだろ!直葉を恨む必要なんて・・・!」
「あたしの目を見ようとしなかったのに!?」
「・・・!?」
「亮・・・剣道を止めてから、あの世界に閉じ込められちゃうまで・・・一度も目を合わせてくれなかったじゃない!それなのに帰ってきてくれてからいきなり話しかけてきて、優しくなって・・・怖かった・・・!この人は何を考えてるんだろうって・・・久し振りにまっすぐに見れたのに・・・別人みたいだった・・・」
「それは・・・」
あの世界でいろいろあったから、ただ仲直りしたくて・・・だがそれを言う前に直葉が言った。
「亮の・・・亮のことをそんな風に疑うんだったら・・・今まで通りでよかった!!あたしをずっと無視してくれればよかったのにっ!!」
「あ・・・」
きっと、直葉も頭の中が混乱しているんだと思う。そうだ、そうなんだ。だから急いでフォローしないと・・・そう思って俺は下がっていた視
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