幕間
Trick-03_だから 今は私に甘えなさい
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いう欲望で、僕は設計図をノートに手書きした。
教授、それを勝手に見るのはプライバシーの侵害ですよ?
「さらに君は物理学を独学しているみたいだ。小学生の机に物理の参考書はおかしい。
どうせなら私の元で物理を頑張ってみないか?」
うん、確かにA・Tを作るために物理学を中心に勉強しているけど、
教授の元で?
「それはどういうことですか?」
「私の専門は能力開発よりも物理学の方なんだ。
能力開発で成果を上げそうな子供を探しているのは、あくまで学園都市の
一員としての義務なだけだ。
ただ、君はそれを抜きにして気に入っている。
現在、僕は超音速飛行機の開発に携わっている。
私の元で学び、そして将来的にはその完成に協力してほしんだ」
教授の話を聞いて、僕はうつむいた。
どうしよう。泣きそうだ。
孤児院のみんなと院長に役に立てると意気込んで学園都市に来たのに
無能力者で、ダメだと言われた気がして気が滅入っていた。
顔には出していなかったけど、本当に落ち込んでいた。
そんな僕を教授は必要としてくれている。
本当にうれしい。
「ん〜♪ 信乃♪ 能力検査終わったよ♪ 私はレベル1だって♪
信乃は?」
僕がうつむいているときに美雪がレストランに入ってきた。
入ってきて早々大声で僕たちの席に来たのは非常識だと思ったけど、
今はそんなことどうでもいい。
「どうしたの、信乃?」
僕の隣の席に座って美雪が僕の顔を覗き込んできた。
僕は泣きそうな気持ちを誤魔化すために、美雪を抱きしめた。
「ん〜〜!?」
「おやおや」
教授が驚きながらも微笑んでいる。
美雪は突然のことでされるがままで、なにも抵抗なかった。
美雪に泣き顔を見せたくないのと、慰めてもらいたいために抱きしめたけど、
レストランにいる人全員に見られている。
「教授、そのお話受けさせてください。孤児院の援助の話は今話にしても
構いません。
ですが、物理学で絶対に教授の役に立って見せます!
だから、お願いします!!」
美雪を抱きしめたまま、締まらない状況だけど、お願いした。
「うむ。よろしく頼むよ」
ここからようやく、僕の本当の学園都市が始まった。
つづく
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