幕間
Trick-03_だから 今は私に甘えなさい
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院から早く一人立ちして仕送りをしたいといつも考えていた。
「お願いします、教授さん」
「ふふふ、君の事をますます気に言ったよ。その条件を呑もう」
「ありがとうございます」
うん。よかった。これで恩返しができる。
だけど、一つだけ気がかりというか、孤児院から離れることに大反対しそうな奴が
一人いるんだよね。どう説得しよう。
「院長先生、失礼します」
説得方法を考えていたら、入口の扉が急に開かれた。
ノックもなしに誰かと思ったが、ちょうど、その大反対しそうな奴の美雪が
入ってきた。
「美雪? どうしたんだ?」
「すみませんが話を盗み聞きしていました。そのことは謝ります。
ごめんなさい。
ですが教授さん、お願いがあります」
美雪は僕を無視して教授に話し始めた。いつになく真剣な表情で。
「私も学園都市に連れて行ってください」
「美雪!?」
「ほう、どうしてだい?」
「信乃が行くからです。
少し前であれば、唯一の家族だからついて行く、と答えました。
でも、今は孤児院のみんなが家族です。
だから、好きな人について行きたいから!!
それが理由です! お願いします!!」
「///////お前!! ストレートすぎるだろ!!!」
うわ! 確かに何度も美雪に好きだって言われたけど、
僕に向かってじゃなく、他の人に堂々と言ってるとこを見ると
すっげ〜恥ずかしい! 絶対僕の顔、真っ赤になっている!
ほら! 教授も院長も『キョトン』って顔になってるよ!!
うっわー・・・・ここから逃げ出したい・・・・
「・・・ふ・・ふ・・ふふふ、ふははははは!
面白い! 面白いね、美雪ちゃん!
なるほど、好きな人について行きたいから、ね。
実にシンプルで良い答えだ。
さて、信乃くん。君はどうする?」
いきなり大声で笑ったと思ったら、僕に返すの?
美雪の事も気に入ってるし、それなら教授さんは学園都市行きを許可しているはずだし。
なんで僕? あれ? もしかして試されている?
美雪がついてくるのは嬉しいけど、僕がどうするかって何?
教授さんにお願い? でもそれだけって雰囲気じゃないし・・・
・・・ああ、そういうことね。
「教授さん。条件を一つ追加します。美雪も一緒に学園都市に行くこと。
美雪の学力も、学校では僕の次に良いですから優秀だと言えます。
お願いします」
「うむ。その条件も受け入れるよ」
意外とあっさり返された。やっぱり受け入れることは許可していたけど、
僕がどう返すか試していたんだね。
「では、よろしく頼むよ。
信乃くん、美雪ちゃん
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