キャリバー編
百二十四話 パーティメンバー!
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それから一時間半と少し。キリト、リョウ、リーファは取り敢えず集まれそうなメンバー全員にメールやら電話やらを終えて、待ち合わせ場所。イグドラシル・シティの大通りと言うALOにおける一等地に看板を出している《リズベット武具店》に集まり、のんびり後のメンバーを待っていた。
「クラインさん、もうお正月休みなんですか?」
頭の上にピナを乗せながら、、サチの持ってきたバームクーヘンをマグマグと食ていたシリカが、クラインに聞いた。
「おう。昨日っからな。働きたくてもこの時期は荷が入ってこねぇのよ。だっつーのに社長のヤロー、年末年始に一週間も休みが有るんだからウチは超ホワイト企業だとか抜かしやがってよ」
言いながら景気づけの酒(無論、アルコールなど得られはしないが)を飲みながら文句を言うような、けれど決して険悪な雰囲気では無く、寧ろ何処か笑い話をするように言ったクラインに、リョウは内心ニヤリと笑った。
クラインの職業は、小規模輸入商社に勤める、所謂商社マンだ。
こんな感じの社長の愚痴をリョウやキリトもしょっちゅう聞いているが、しかしてその社長はSAOに囚われたクラインの面倒を二年間見てくれたどころか、生還後も即座に会社に復帰させてくれたと言うなんとも仁義ある人で、実際の所、クラインの話の所々を聞くに、社員を大切にする良い会社のようだ。
ちなみに、クライン自身恩義を感じているらしく、以前には《ザ・シード》とモバイルカメラを使った遠隔プレゼンシステムを構築したりする等、現在も真面目に勤めているらしい。ちなみにその際、ハード面にくわしいキリトがカメラの方の調整で散々手伝わされていたが、其処は御愛嬌である。
と、クラインがそのキリトのほうをじろっと見た。
「おうキリの字、お前このクエで上手く《エクスキャリバー》取れたらよ、お前ぇ俺様の為に《霊刀カグツチ》取りに行くの手伝えよ」
そう言ったクラインに、キリトは心底嫌そうに顔をしかめる。
「えぇ〜、あのダンジョン糞熱ぃじゃん……」
「それ言うなら、今日行くヨツンヘイムは糞寒ぃだろが!!」
「っはっはっはっはっ!!!」
キリトに突っ込むクラインに、リョウが爆笑した。と、そんなリョウに、横から声がかかる。
「あ、じゃあ、リョウ兄ちゃんは私の手伝ってよ」
「はっはっ……は、あ?何を?」
横からそう言ってきたのは、水色の髪を持つ獣人だった。何時の間にやら、椅子に座って頭の後ろに手を組んでいたリョウの横に立ち、悪戯っぽく微笑んでリョウを見ている。
その水色の髪から覗くシャープなシルエットの三角形の耳は、シリカの人懐っこそうで可愛らしい印象の物よりも、より鋭く、キレ味の鋭そうなイメージを思わせる。
例えば他人の家にこんな感じの猫がいたら、少し撫でるのを躊躇してしまいそうな感じ
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