ナイアーラトテップとの戦い U
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に心臓を突き刺そうと身構えた。ナイアーラトテップは、瞳に涙を溜めて懇願した。
「もう、止めて!もういいじゃないですか!!!」
「・・・よくねぇよ。まだ終わってねぇよ!まだ、諦めてねぇよ!!!」
その言葉と共に、力強く立ち上がった護堂を、何度目かも分からない漆黒の腕が襲った。
「・・・・・・?」
しかし、その手応えに違和感を抱く 闇をさまようもの 。何というか・・・今までとは感覚が違うような気がしていたのだ。
そしてそれは、間違いでは無かった。
『・・・!?』
それまで一切の感情を表さなかった彼が、驚愕した。突き刺した護堂の隣に、もう一人の護堂が出現したからだ。
「いっ・・・けええええええええええええええ!!!」
心臓を突き刺されて即死した筈の護堂は、その叫びを最後として薄くなって消え去り、その叫びを合図としたかのように、虚空から現れた護堂は疾走し始めた。
「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
その異様な光景に、一瞬動きを止めた 闇をさまようもの だったが、彼も最上位の邪神。その動揺を即座に振り切り、闇から闇へ転移して、走っていた護堂の心臓に突き刺す。・・・が、
「まだまだああああああああああ!!!」
『!!?』
その隣に一人、またその隣に一人、またまたその隣に一人、またまたまたその隣に一人・・・etc。すぐには数え切れない程の草薙護堂が出現したその光景には、流石の彼もナイアーラトテップも、絶句せざるを得なかった。
【千の顕現】。この権能が最も厄介だと言った、その評価は冗談などではない。この権能は、決して『最高の盾』などではない。むしろその逆。『最強の矛』として使うべき権能なのである。
『自分千人分の魂をストックする』というこの権能は、言い換えれば、『自分が千人いる』という権能なのである。『千人の顕現が同時に存在可能』というその文章に偽りなく、オリジナルと寸分違わぬコピーが、千人同時に存在出来る権能なのだ。最強の物量作戦。持ち主と全く同じ権能を持つ千人のコピーを作り出す権能。そしてそれは、『オリジナルが殺されようと、寸分違わぬコピーが残っているのなら、問題なく生存可能』という事を意味する。
まつろわぬクトゥグアは、この権能を利用して戦いを挑んだナイアーラトテップを、範囲攻撃で根こそぎ焼き払った。逆に言えば、彼女を一撃で殺すことの出来る威力の範囲攻撃が出来ない存在に、この攻撃に対処することは不可能なのである。
『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
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