ナイアーラトテップとの戦い U
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れると、脳がバグを起こして狂ってしまうことがある。それ以上の痛みや苦しみを受容することを、放棄するのだ。ショック死などは、これの典型なのだが・・・
この権能は、ショック死した体でさえ、生き返らせてしまう。・・・が、考えることを放棄して、ただ外界の刺激にのみ自動的に反応する体を、『生きている』と表現してもいいのだろうか?そんなもの、植物状態と何ら変わりない。この状態になってしまえば、勝負は決まったも同然である。
実を言えば、護堂が最初に出会った、記憶を失くしたナイアーラトテップは、この状態だったのである。今の彼女は、『這いよれ!ニャル子さん!』という、クトゥルフ作品そのものに挑戦状を叩きつけたような新しいシェアード作品によって、容姿がその作品のヒロインへと固定されてしまっていた。人型を取るということは、体の機能も人に近くなるということである。クトゥグアの苛烈な攻めに対して、彼女の精神は耐えることが出来なかったのだ。辛うじて逃走することには成功したものの、記憶と神格を吹き飛ばされてしまっていた、という訳である。
精神的な死。これが、この権能のもう一つの攻略法である。
その条件でいうのなら、護堂の場合は更に危険だ。いくら、心臓を直接潰すことによって、出来るだけ痛みを与えないように殺しているとは言え、『何度も死ぬ』というのは普通の人間が出来る体験ではなく、その異常な経験は彼の精神をゴリゴリと削り取っている。既に幻痛も始まっているこの状況では、千回殺す前に彼の精神が限界を迎えることは明白であった。
(無茶よ・・・! 闇をさまようもの まで出てくるなんて・・・これ以上は無理。護堂が死んじゃう!!!)
エリカは、物陰から戦場を見つめて震えていた。
(ナイアーラトテップ一柱ですら絶望的だったのよ!?その挙句にあんな化物まで出てきたら、もう撤退しかない・・・!隙を見て、彼を助け出さないと・・・!!!)
名前を付けるなら、【輝くトラペゾヘドロン】以外には無いだろう。この権能は、ナイアーラトテップの化身の一つである、従属神『まつろわぬ闇をさまようもの』を召喚する権能である。
『これは、 闇をさまようもの を崇拝するカルトにおいて最も重要なアーティファクトである。
”輝くトラペゾヘドロン”とは歪な形状をした黒い多面体の宝石である。
宝石には深紅の線が錯走しており、冒涜的な角度を持った箱の内部に
7本の支柱で支えられて鎮座している。
この”輝くトラペゾヘドロン”は主に 闇をさまようもの の召喚に用いられる。
普段開かれたままの箱の蓋を閉ざし輝くトラペゾヘドロンを闇に閉ざすことで
闇をさまようもの が召喚される
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