一日目〜四日目
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僕は母さんが帰ってくるまでに六冊のノートを読み、壁を拭き、金庫を閉め、部屋を入る前と同じ状態にした。
どうやら僕が固まっていたのはほんの数分だったようだ、そして母さんが帰ってきて一緒に夕食をとり(母さんには早退したことは言わなかった)、今では夕食を終えて自室でノートパソコンを立ち上げていた。
このノートパソコンは母さんが入学祝にくれたものだ。高校生にもなってケータイを持たずにノートパソコンを持ってるのもあの男からの贈り物だからだそうだ。全く、そんなものを使ってたなんて、嫌になる。
でもそれが現在進行形で役に立ってるんだけど。
「確か唐橋さんは父親のほうに引っ越したって言ってたよな………」
あのノートにはこれから僕がすべき事が記されていた。浮気していた男のことは母さんも知っていて覚悟を決めた事だからまだいい、だけど……あの女だけは………母さんが自殺しようとするまで追い詰めた奴だけは………絶対に許さない。
「あるかな?………よし、ここだ」
僕は一人、部屋で笑った……ここならきっと、誰も来ない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
こんなに朝が待ち遠しいのは初めてだった。
母さんがパートに出かけてすぐに僕は母さんの部屋に行き、金庫を開けた。
中には相変わらずナイフとノートと写真が入っている、その中からナイフだけを取り出し、ポケットにしまう。
これでよし
格好は制服にした。この格好なら身分が分かるだけ警戒されないと思ったからだ。ポケットには奴の住所をメモした紙とあの場所へ行く地図とバタフライナイフと通帳が入っている。
バイトは休まずに母さんの目を盗みつつ連休を使い準備は整った。
「さぁ、行くか」
ちょっと遠足に行くくらいの気軽さで僕は呟く。
心の中の黒さを紛らわすように、顔に憎しみが出ないように。
今からまるで登校するように僕は歩き出す。
杵島一美、君に遭うために………
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