一日目〜四日目
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同情したのだと思う。
「違うな」
そうだとしてもまずあんな話をした時点で僕が父親を憎むと予想するだろう、そして頼みごと所ではなくなる。もしくは僕が信じないとか。
駄目だ、唐橋さんの真意がさっぱり分かんない。
う〜ん、もしかして
「やっぱりドッキリかな?」
これが一番無難で現実的なことだろうけども種明かしもされずに今僕は早退しているので納得しきれない。
「そうだ!」
手っ取り早い方法がある、母さんが帰ってくるのがパートを終えた十八時過ぎだから………
「調べてみるか」
僕は普段入らない母さんの寝室に向かった。
とはいえここは2DKなので自室から五秒もかからない。寝転んですぐに立ち上がるのは億劫だったけど、このままだと寝そうなので、勢いをつけて飛び起きた。母さんの部屋は畳まれた布団に衣装ケース、本棚に小さな金庫、そして学習デスクがある四畳半の部屋だ。
「母さん、ゴメン……」
まず学習デスクの引き出しを開けた。
一つ目の引き出しには会計リストやレシート、メモ帳や文具が詰まっていた。ここには何もなさそうだ。
二つ目の引き出しを開けるとアルバムとノートが数冊入っていた。アルバムは僕の写真で埋め尽くされていた。なんか恥ずかしい……、ノートのほうはパート先の仕事内容が主でこれといって気になるものは無い。
三つ目、最後の引き出しを開けると……
「ここには何も入って無いか」
手当たり次第に引き出しを開けたりして写真やメモ帳などを探しているのにこれといって不自然なものは無かった。
衣装ケースなんてのは調べる対象に無い。母さんの服を漁るなんてしたくない。
それでも今やってることは空き巣同然なんだけど。
布団の下?ポルノ雑誌を隠してる中学生じゃあるまいし。
そしてあと残っているのは
「となると、やっぱり気になるのはこれだよな」
まだ探してない所といえば、小さな金庫だった。その金庫は四つの数字を合わせて開けるダイヤル式だ。
つまり
「一万通りか……」
地道な作業になりそうだった。
それでもいきなり0000から始める気も無く、いじる前の数字を確認すると0605で、それは気になる数字だった。
「なんか見たことあるなこの数字、もしかして僕の誕生日とか?」
ちなみに誕生日は六月六日だ。
「駄目か………」
思い付きだもんな
「やっぱり………え?」
ガチャ
開いた。
その瞬間僕は後悔した。唐橋さんの話を真剣に聞いた事と、母さんの部屋を調べた事、そしてこの金庫を開けてしまったことを
自分の誕生日で驚いたのだけどその中身にはそんな事が比べられないほど信じられないものが入っていたから。
「なんで………………?」
年季の入った小さな金庫
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