来訪者
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んだ。
まったく、学習能力の無い人。
「木崎!うっさい!」
蘭が再び顔を上げて手にしたシャープペンシルを木崎君の背中に投げ付けた。どうやらずいぶんご立腹みたい。
そして次の瞬間突如教室のドアが勢いよく開かれた。
バァーーーーーーン
そこに立っていたのはとても顔立ちがよくて清潔感もありそこそこ身長もある見た目では凄く好印象を受ける(女子に限る)ような少年が立っていた。とても印象的だし、きっともう一つのクラスか違う学年の人だろうな。
あたしも彼に対してあ、カッコいい…って思ったんだけど次の一言でひびが入った。ええ、凄く大きな修復不能なひびが。
「呼んだかい?愛しの綾文」
ん?今なんて言ったの彼?
一瞬思考が止まるけど彼の口上は止まらない。
「綾文の心の声を聞いて駆けつけてきたんだ、どんなことだろうと解決してみせるよ!」
………あぁ、なんて残念な人なんだろう……………
「………キモ………」
思わずそう呟いてしまっていた。
その後、木崎君とわたる君?は夫婦漫才のようなやりとりをしていた。そしてあたしの中の木崎君ともう一人の彼の株は駄々下がりだった。
「ねぇ水瀬君」
「何だ?」
「また続き書いたら読ましてくれる?」
「読者がいることは、書き手にとっては最高に嬉しい事なんだ。ぜひ、読んでくれ」
そう言った水瀬君はなんだか少しだけ大人っぽくて見惚れちゃった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その後はまたつつがなく午後の授業を終えて、質問された時に気になっていた部活をまわることにした。
この中学校は人数(一クラス三十人前後で全校生徒が大体百八十人)に比べて部活の数が多い、運動部が十一に文化系が四と合計で十五もある。一応パンフレットは渡されていてどんな部活があるかは把握済みなんだけど実際に見て廻って決めたい。
数箇所、適当に部活を周って候補を二つくらいに絞ってから帰路についた。時間ギリギリまで見学していて暗くなったら、帰れなくなるから。
別に夜道が怖いとかじゃないよ、まだ慣れていない土地だから道が分からないだけ。
「さてと、どっちだっけ?」
校門から歩いて数十メートル先の交差点であたしは立ち往生していた。
正面、畑やあぜ道が見える。
右、山しかない。
左、舗装された道路にちまちまと家が見える。
「よしっ!こっちね!!」
あたしは正面へと進んだ。
〜五分後〜
「あれ〜?」
おっかしいな、蘭とあの交差点を真っ直ぐ進んで来た筈なのに。
途中で小学校に行ったせいか、どこをどう通ったか全く覚えていないあたしだった。
「そうだ、電話しよう!」
忘れてた、ポケットの中
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