第13話 四人目
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だけだ」
「………い、いやでも気配消して背後に立つお前もどうかと思うよ俺は」
「良い訳か…」
「やれやれ、みたいな感じだしてんじゃねえよお前。なんだお前、いきなり現れたクセに超ムカつくんですけど」
「いきなりじゃない。ずっと遠くからお前を見ていた。どれくらい強いのか、とな」
「…気持ち悪いなお前。…で、どうだった?」
リクの問いに、現れた剣崎シオンという男は薄く笑みを浮かべる。
「正直良く分からなかったな」
―――ガクッ!
リクはズッコケる。
「ざけんなお前!そこは『あまり強そうではなかったな。フッ』とか言う所だろうが!俺考えてたんだけど!?その言葉に対してどうカッコよく返そうかずっと考えてたんだけど!?」
「そんな事俺は知らん」
「うわ超クール!ウザい!死ね!」
そういうリクが現在一番ウザい事を、本人は自覚していなかった。
そして、この二人の間に漂う空気は既に敵同士というものではなくなっていた。それに、リクは最初こそ咄嗟に攻撃してしまったが、現在はシオンと戦う意思はほとんどない。
理由は、リクとシオンの実力を考慮しての事だった。
今リクと、シオンが戦えば、周りに対して何かしらの被害は出る。特に、陸戦魔導師である新人四人を巻き込むわけにはいかない。
(それに、あいつも〈剣の民〉。しかもさっきの攻撃を見るに俺との実力差はそこまでない…筈だ)
相手の力量を分析しながら、それでもリクは自分が負けるというビジョンを思い浮かべてはいなかった。
勿論敵と相対した時、負けるという事を前提に考え戦いを挑む者はそうはいない。
が、リクのこの自身の勝利への確信や自負といったモノは、気合を入れる意味合いではなく、単に事実確認という意味合いが大きい。
勿論「自分が絶対に勝つ」とは口に出さない。
(もし負けたら恥ずかしいからな)
その辺りがらしいといえばらしい。
「で、剣崎シオンとか言ったか。お前の目的は何だ?もしかしてレリックとかか?だとしたら残念だが渡す訳にはいか―――」
「いや、違う。俺の今回の目的はお前の実力の確認だけだ」
「今回の…ね。で、その目的は達成されたのか?だったら早く帰って欲しいんだが」
「正直まだ足りない。けれど、流石に三対一では分が悪い。時期が時期なら楽しめそうなんだがな」
そう言ってシオンは視線を僅かにずらす。
リクも視線を向けずとも感じていた。後ろから、なのはと、フェイトがやってくるのを。オーバーSランク魔導師である高町なのはと、フェイト=T=ハラオウンが揃えば、いかに剣崎シオンの実力が未知数でも、勝てるとは思えない。
(俺も、レイかアキのどちらかがなのはとフェイトと一緒に向かっ
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