第13話 四人目
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えばエリオがリニアレールから落ち、それをキャロが助けるという少しだけヒヤッとした場面もあったが、それ以外は問題はなかった。
(このまま行けばレリックの回収も時間の問題だな)
この時リクは僅かに安堵していた。
それは、リクの本質に近いものが生み出した感情だった。
リクはその他と隔絶した戦闘の才能故に、自分以外の他者の、いや、仲間の実力を信頼しない傾向にある。
その結果、彼は常に仲間の身を案じて行動する。
勿論自分と実力が極めて近いレイやアキに関してはそこまで心配していないが、なのはやフェイト、そして新人四人に関しては、現段階でも常に注意を払っている。
だから、このまま何の問題もなく終わりそうな事が分かり、安堵したのだ。
だからリクは見落とした。だから反応が一瞬遅れた。
―――自分に向けられた殺意を。
「―――後ろがガラ空きだ」
「―――ッ!!?」
咄嗟に振り向きながら後方に下がる。それと同時にリクは斬月を振り、剣圧を飛ばす。しかし、リクの放った剣圧を食い千切り、―――氷の龍が襲い掛かった。
「月牙天衝!!!」
距離的には完全に間に合わない。
それでも、直撃だけは避ける為、リクは月牙天衝を眼前に氷の龍に放つ。
生み出された巨大な刃は、氷の龍を真っ二つに切り裂き、消し飛ばす。しかし、完全には威力を殺しきれず、リクの左手は凍り付き、身体のあちこちにも、霜が貼り付いている。
「凄いな。今の攻撃」
聞こえるのは感情の起伏が乏しい声。
男のモノだとリクは判断するが、それでも中性的な印象を受ける。
「まさか“後ろがガラ空きだ”なんてセリフを聞くとは夢にも思わなかったよ。で?お前誰だ?」
リクは尋ねる。
月牙天衝と、氷の龍がぶつかった際に起こった煙は既に晴れ、一人の少年が姿を現した。少年は、真っ白な髪に、アイスブルーの瞳。
一目見ただけでその整った容姿が分かる。
それに何より目を引くのが、彼の着ている着物と、右手に持っている刀。そして彼の周りを守るように佇む氷の龍だ。
着物は間違いなく死覇装。そして持っている刀は斬魄刀だろう。
リクは目の前の少年が〈剣の民〉である事を理解する。
そんなリクの考えなど知らない少年は、リクの問いに言葉を返す。
「人に名前を尋ねる時はまず自分から、というのが常識だったと記憶しているが?」
「いきなり攻撃してくる常識知らずなお前に言われたくねえよ。ちなみに俺の名前は御剣リク。時空管理局機動六課所属のイケメンだ」
「俺の名は―――」
「いや最後の俺の小粋なジョークは無視かよ」
「―――剣崎シオンだ」
「聞けコラ」
「ちなみに、いきなり攻撃してきたのはお前だ。俺は声を掛けた
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