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遊戯王GX ~Unknown・Our Heresy~
第3話 覗き事件と転生者
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side 雪鷹
俺たちは右も左も分からない状況のままこの世界に転生した。
フィクションの世界だけの光景が俺たちの視界に広がり、家族だと言う見知らぬ人たちとの邂逅。
そんな状況を全て理解した俺たちは、ある事を決めた。
それは・・・・・・。
シンクロ・エクシーズを一切使わない事。
理由は3つ。
1つ、シンクロ、エクシーズなどのこの世界には存在しない召喚方法を使用して、原作を完全崩壊させてしまう事を危惧して。
2つ、それらのカードを使用して、高価と思った者が盗もうとする事を防ぐため。
そして3つ、原作などで危険な存在として扱われているカードを使用して、俺たちに危害が加わる事を危惧して。
この3つのルールを設け、俺たちはお互いに承諾し、シンクロとエクシーズに関するカードを封印した。
しかし、あの時。
試験会場でシンクロを使用したあの女の子によって、俺たちの危惧していた事が現実になる可能性がグンと高くなってしまった。
まぁ、万丈目たちをオーバーキルしてしまった俺が言えた義理じゃないな。
そして、俺たちがアカデミアに入学してから早5日が過ぎて行った。
なのに、向こうから一切何の接触も無い。
同じように、クロノスをワンターンキルした直哉の許に十代が来ないのもおかしい。
何故?
不思議に思った俺たちの疑問はいとも簡単に氷解した。
この世界には、アニメのキャラクターの他に、ゲームのキャラクターも存在していた。
言わばこの世界はアニメとゲームの混同した世界。
十代が直哉の許に来なかったのは、未知の召喚方法を使用した少女を探しまわっていたから。
恐らく、あの少女は、クロノスを破った直哉をイレギュラーな自分の存在が介入した事によって生まれたオリジナルキャラクターと思っているのだろう。
「ハァ、あの時、あの子の名前を確認しておけばよかった」
俺は歩きながら軽く嘆き、空を仰いだ。
俺は今森の中を歩いている。
理由は特になく、あえて言うなら、久々に星が見たくなった。
だから、人工の光が無い森の中に行き、そこで空を見上げながら宛てもなくただ歩いているのだ。
直哉はというと、寮で一人デッキを弄っている。
この世界に来て、あの子を含む俺たち転生者は、色々と原作を改変してしまっている。
これ以上の改変を避けるため、デッキを改造しているのだろう。
昔からアイツはいつもそうだった。
努力でなんでもこなして、俺を置いて先へ行ってしまう。
俺は唇を噛みしめた。
そんな事を考えていると、俺は森を抜けた。
森を抜けた俺は感動した。
俺の視界に広がっているのは、ブルーの寮と思われる白い壁に青い屋根
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