01 そんな出会い
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った。
いつもとは違う光景に自然と目がいった。
家の事なんか忘れて彼女を眼で追っていた。
時間の流れを忘れさせてくれるような不思議な気分だった。
少女の動きや表情はとても面白い。
近くの木をまじまじと見て、そぉ〜っと触る。
だんだんペタペタと普通に触るようになり、くんくんと匂いを嗅いだ。
その瞳をキラキラと輝かせ、砂やベンチを興味深く観察していた。
まるで何も知らない赤ん坊のような無邪気な瞳だった。
そんな少女が水飲み場を観察している姿は可愛らしかった。
蛇口を両手で捻ったため、勢いよく飛び出した水。
少女はびっくりした様子で後ずさりした。そして、そぉ〜と蛇口を逆に回し水を止めた。
ほっとした顔は次第に笑みを浮かべまた次のものへと足を動かしていた。
穏やかな時間が過ぎゆく中、途端に少女が困惑を顔にした。
「んぅ〜……?」
可笑しな唸り声を上げて悩む少女。
さっきまでの笑顔が消え、私も自然とドキドキしてきた。
キョロキョロと辺りを見渡す少女。
ジーっと少女を見つめる私。
そして――
「「……?」」
眼が、合った。
少女はテッテッテと小走りで走ってこっちへ来る。
ニコっと笑みを浮かべ、私の前で頭を下げた。
……ん?
頭を下げた?
なんで?
「私を働かして下さい!!」
……なんで?
―◆◇◆―
目の前の少女は困惑している。
なぜだ?
私に働ける場所を教えてるように頼んだはずなんだけど……。
やはりこの年齢や体格ではまだ働けないのか。
じゃあ、私はここで死ぬのか?
それは駄目。絶対に駄目。
でもそれじゃあ
「ううぅ……」
「あっ、泣かないで欲しいの!」
「え……?」
「と、取り合えず落ち着いて話し合えば! えっと〜えっと〜……」
なんだこの少女は……
泣いてもいないのに慰めて、話し合おうと言ったのにそのから先がなくて……
忙しい子なのか?
いや、この世界ではこれが普通なのか?
母。私は上手くやっていけるか心配で仕方ないです。
「「あ、あの……」」
……。
気まずい。
もう何なんだよ……
「え、えっと……私、高町なのはって言うの」
そう言って少女高町なのはは手を差し出してきた。
少女の小さく白いてが私に向いている。
その小さい手のひらに、それよりも小さい私の手を重ねた。
「シア・テスタロッサ。宜しく」
「う、うん!!」
手を握り返したのが嬉しかったのか、なのはは花が咲くような綺麗な笑顔を見せた。
私とは違う、人間味のある
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