01 そんな出会い
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後
地球 ―海鳴市―
視界がぼんやりとしている。
私は確か母との……――
「……っ!?」
そうだ。思い出した。
私は母の手によって転移した。
もう帰る場所はない。これからはここで生きていかなくちゃいけないんだ。
だけど目的はある。
母は私に言った。
『近い未来。貴女の予知夢が正しければ、貴女にとって妹となる子がそっちへ来るわ。そうしたら、私もあの計画を実行する。もし、貴女の前で妹が困っていたらちゃんと助けてあげるのよ』
妹。
私に似た子なのだろうか……?
いや、私は人形。元となったモデルがいる。
もし、妹も同じだとしたら……
「ん……」
妹を【 人形 】と呼ぶのはよそう。
自覚のあるあしも関係する。
私はいつか未来。母から人形呼ばわりされる事を知っている。
夢で見たからだ。
その夢が本当になるかは分からないけど、たぶん現実となるだろう。
勘だけど。
思考に頭を悩ませている刹那、冷たい風が肌に吹き付けた。
よくよく考えれば、私は薄い布切れを羽織っているだけ。
それも薄汚れていて痛んでいる。
髪や肌も汚いままだから気にはならない。
しかし、いくら自分が人形だと言えど人間と大差ない感覚があるのだ。
その中には勿論冷たいと思う感覚が存在し、私は現に寒いと思っているのだ。
辺りを見回してみれば人気のない公園――と呼ばれるものであろう。
あの部屋から出た事などほとんどないし家の外に出た事なんて1度もない私が、外の知識を手に入れるには本しかなかった。
幸い、家には母がたくさんの本を持っており私に読ませてくれた為外部の情報は多少の知識がある。
と言っても、本で覚えた知識と実物を見るのは全く違う。
私の目の前には興味をそそられるものがたくさんあるのだ。
キョロキョロと辺りを見回し、ペタペタと実物を触る。
砂の感覚。木々の匂い。風の音。
全てが新鮮に感じると同時に、今後の衣食住について悩まされる。
1週刊は何も食べずとも平気だろう。この公園には水の出るところがあったし。
問題はその後だ。
働きたくても書籍もない。年齢も体格も足りない。
「んぅ〜……?」
ホント、どうしたものか?
―◆◇◆―
私、高町なのはは悩んでいる。
家には居にくいのでいつもの公園へと向かった。
いつもはあんまし人がいない公園。
今日もいつもと変わらない風景――
「……っ!?」
の中に知らない子。
お世辞にも綺麗とは言えない格好の少女。
長い髪は薄汚れ服装も酷い。
そんな少女は驚いたような横顔をして俯いてしま
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ