第一話「皇帝万歳!! 新皇帝フリードリヒ4世」
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軍じゃ肩身が狭い生活をしていたに違いない。自分を認めて欲しいと思っているはず。オフレッサーも外せないね。
「オフレッサーをご配下に加えなさるのですか。理由を伺えますかな陛下。」
「グリンメルスハウゼンよ。オフレッサーはもう40歳。戦いたくとも体がうまく動くまい。だから3年前に現場を離れ装甲擲弾兵総監の職を引き受けた。だが軍役を退くにはまだ若い。これからは予を守る剣になってもらう。」
「さようでございますか。良きことかと存じます。」
「予の侍従武官には卿を筆頭にクリストフ・フォン・ケーフェンヒラー、後数人を門閥貴族から迎え入れる。門閥貴族が騒ぐのは目に見えている。門閥貴族の侍従武官がいないのは皇帝の不信ゆえにだと邪推されるのを恐れておるからな。」
「ではブラウンシュバイク・リッテンハイム両家から侍従武官を? しかし妙な連中が侍従武官に入るのはいささか.........」
「分かっておる。ブラウンシュバイク家にはシュトライトという軍人が使えておる。こやつを懐柔してシュトライトから適当な人材を推薦させる。リッテンハイム家も同じ手を使おう」
「そのように致します。陛下。」
その翌日、皇帝の名でオフレッサー上級大将の装甲擲弾兵総監職退任と皇帝警護を任務としする近衛師団 師団長への就任が発表された。オフレッサーが我が世の春を謳歌している一方でブラウンシュバイク公爵に仕えるシュトライト准将は深夜の帰り道でグリンメルスハウゼン子爵の部下に拉致され広大なノイエ・サンスーシ宮殿の一角にある地下施設に監禁されていた。
アルツール・フォン・シュトライト准将
夜道を歩いていたら突然クロロホルムをかがされ意識が途絶えたのを覚えている。次に目が覚めたらこの有り様だった。コンクリート打ちっぱなしの小部屋で窓一つない。反門閥貴族のしわざだろうか。
扉が開いたと思ったら2mを越える偉丈夫が入ってきたオフレッサー上級大将だ。昨日に下級貴族初の近衛師団長に抜擢された男だ。後ろの人物はグリンメルスハウゼン子爵だ。オフレッサー師団長がいるということは黒幕は陛下か。
「すまぬな。シュトライト准将。陛下がお召なのだ。止むに止まれぬ事情があってあおのような盗賊まがいの事をした。許せ。」
しばらくすると予想通りフリードリヒ4世陛下が入ってきた。緊張のあまりアタマが真っ白になってしまった。
「すまぬな。シュトライト。手荒な真似を許せ。ブラウンシュバイクに気づかれずに卿と接触するにはこの手しかなかった。卿を予の直属に加えようと思ってな。いまはブラウンシュバイクにつかえているそうだがこれからは予の為に働け。」
今のフリードリヒ陛下はまるでルドルフ大帝が降臨したかのような恐ろしい形相だ。緊張のあまり喉がカラカラになってアタマが真
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