DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第一話
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栗原小波。
清文の実の姉で、性格はいたって無邪気。子どもっぽい、そして生粋のバカだが、その知能は規格外。かの茅場晶彦に匹敵するとも思われる。
そして、アメリカのハッカー集団、《ボルボロ》の初代リーダー。
ALOをかつて監視していたのは恐らく彼らだ、と清文は考えている。今は別の人間がリーダーになっているらしいが、恐らくいまだ小波に協力しているのだろう。
もともと栗原家は、イギリス貴族の家系だった。日系人に統合され、今の栗原家になったという。
清文の父と母はあまり仲が良くなく、父親は家を出ていき、母と清文、そして小波だけになった。
小波は闇の才能をいくつも開花させていき、裏社会で一目置かれる存在となった。
彼女にとっては、何もかもが実験の材料でしかない。小波は清文に自分と同じ暗黒社会で暮らすための知識を教えようとしたが、それを頑なに清文は拒み続けた。
小波は清文に猶予期間を与えた。
自分の最大の計画には清文の協力が必要だ。その時が来たら清文を呼びつける。もしそれで清文がやってこなかったら――――
彼のすべてを、消し去ると。奪い取ると。
そして先日、遂にその合図が送られてきた。
誰にも知らせずに、休学届だけを出してイギリスに来ること。
それを受けて、今、清文はここにいる。
「付きました。清文様」
「栗原邸?時計塔じゃないのか」
確か小波の仲間たちは時計塔に巣食っていたはずだ。
しかしここは、清文の生まれた家、そして清文が六歳までを過ごした栗原本家だ。
「はい。先ほども申しました通り、清文様を盛大に歓迎したいと」
「はぁ……何を考えているのかよくわからないな姉貴は。相変わらずだなぁ……」
小波は、本当に何を考えているのかわからない。
天才なのは確かだ。
しかし、それと同時に救いようのない馬鹿であることも確かだ。
どうでもいいところにエネルギーを費やしテンションをあげる。しかし、本領であるはずの仕事は全くやらずに仲間に任せているのみ。
「さぁ、どうぞ」
「あ、ああ……」
大門が巨大な栗原邸の入口の扉を開く。
清文がそこに一歩踏み入れると……
「おっかえり―――――っ!!清文――――――――――――っ!!待ってたよ―――――っ!!」
けたたましい叫び声が響いた。
「ああ〜もう!うるさいぞ姉貴!!」
「なんだよぅ。昔みたいに『小波お姉さま』って呼んでくれないの?ちょっと楽しみにしてたのに……」
「うるさい馬鹿!!そんな呼び方するか!!つーかしたことないだろ!!」
「あ、ばれた?しっかし口が悪く
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