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いや・・・ちょっ・・・・・・ちょ・・・・・
「はああああ!?」
私の大声に、兄とその腕の中に居た、白いワンピースの少女が振り向いた。
・・・・・少女?
「お、お兄ちゃん・・・・誰・・・?」
「え?・・・・あ、ユイのことか?」
「まさかお兄ちゃん、SAO時代にさらって来ましたとか無いよね・・・?」
「するかっ!ユイはメンタルヘルスカウンセリングプログラム試作品001、Yuiなんだ。
俺たちがアインクラッドの22層のフィールドで見つけて・・・えーっとその、つまり簡単に言うと俺とアスナの娘だ」
いや、簡潔に言いすぎだろ!
へー、プログラム・・・なんだ。それにしては感情豊かじゃない?
私があれこれ考えていると、ユイの姿が消えた。
「「え」」
私と兄が絶句し、あたふたと探し始めると、兄の膝からユイの声。
「可愛いっ!お兄ちゃん、ユイが可愛すぎるっ!」
「・・・凄いな・・・」
ユイは一瞬のうちに、妖精・・・ナビゲート・ピクシーなる姿へと変わっていた。この姿が、この世界でもユイの部類なのだと言う。
私がユイを掌に乗せてじっと見てみたり、指で軽く頭を撫でていたりするうちに、ユイの説明はどんどん進んでいたようだった。
この世界はSAOのサーバーのコピーであること。
それがなんらかの影響を及ぼし、私たちのキャラデータが残っていたということ。
「だからこんなにスペックが高いのか・・・」
「なるほど〜・・・解らないな」
そんな言葉を交わしながら、私たちは同時に立ち上がり背中を覗き込む。
そこには、スプリガンの証であるクリアグレーの羽根。
妖精、というよりは昆虫の羽根に近い・・・などと私が思っていると、ユイの補助コントローラーのレクチャーが始まった。
「ふむふむ・・・じ・・・・上昇」
言われた通り、コントローラーを操作してみると、驚いたことに本当に飛び上がる。
慣れればコントローラー無しでも飛べるというのだが、これはユイでもレクチャー範囲に入らないらしい。
「なんとなく解ったぞ」
「うん。結構楽しいよね」
「ああ。じゃあ始めに・・・・ユイ、ここから一番近い町って何処だ?」
「えーっと、スイルベーンという町が一番近いみたいです。すぐにつきますよ」
「まずそこに行ってみよう」
私たちがコントローラーを手に再び飛ぼうとしたとき、ユイの涼しげな声が言った。
「・・・近くで戦闘が行われているようです。・・・1人を3人が追ってますね・・・」
「お、面白そうじゃん 言ってみよーぜ」
「お兄ちゃん、暢気だなぁ・・・」
私は呆れたような声を出しつつ、戦闘を除く気満々だ。
「向こうか?」
「はい、そこを真っ直ぐ行けばすぐです」
「よし、行こう!」
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