第二話 ねぎ星人
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「お〜い……大丈夫かぁ」
懐かしいラジオ体操の音楽が流れた後、竜夜と加藤は共に座り込んでいた。
「あんたこそ、大丈夫っすか?」
「鍛えてんからな……」
ふらつきながらも立ち上がり、加藤に手を貸す。一発ずついいのをもらったのだ。痛みがなかなか引かない。だが、ここは見栄で余裕な振りをした。
「さぁもう大丈夫だろ。行くぞ……あと加藤」
「え、あぁ。これ着てろよ」
彼女を見ず、あごで指すと、加藤は学ランを脱いで投げ渡した。
よかったこいつがわかる奴で。俺のジャケットでも体が隠れるんだが、やはり隠れる所が大きいほうが彼女にとってはいいだろうと思ったからだ。
「黒いのも犬も行くぞ」
「黒野だ! ……です」
少しふらついたが、加藤が肩を貸してくれた。お前大きいから少し肩が辛いんだが。
「じゃあ落ち着いたらこいよ」
去り際に震える彼女に背中越しで伝える加藤。
背がでかくて正義感もある。顔も悪くないし度胸もある。しかも気配りも忘れないときた。こいつかなりもてたんだろうな。
部屋に戻ると壁に背中をつけ、ずるっと擦るようにして座り込む。
「はは、だっせえな俺……」
「そんなことないっすよ」
独り言を加藤に聞かれてしまった。それに黒野にも聞かれた気がする。
「さっきも自己紹介をしたが俺は朝比奈竜夜。20歳。よろしく」
「加藤勝。15歳。よろしくっす」
視線を黒野に送る。
「……黒野計。そいつと同じ」
「ふーん、まさるんにくろちゃんね。よろしく」
「え?」
「はぁ?」
くすくすと笑う。痛みが引いてきたようでもう立って歩くことぐらいなら問題ない。
「すっげえ〜〜」
「おもちゃでしょこれ……」
中からは大小のおもちゃのような銃と銀のケースが出てきた。周りが興奮したり、興味を示す中、視界の端の西だけはじっと黒い球体に表示された画像と文字を見ていた。
てめえ達は今から
この方をヤッつけに行ってくだちい
ねぎ星人
特徴
つよい
くさい
好きなもの
ねぎ、友情
口ぐせ
ねぎだけで
じゅうぶんですよ!!
「なんだ、こいつ」
人っぽいが、髪の毛みたいのが緑だったりして何かが気持ち悪い。しかもこいつをやっつけて下さいだって?
ゲームか、と心で突っ込んだところで西が行動した。銀のケースと銃をもって行く。そして座り込み、こっちに向かってにやりと笑った。
「ッッ!!」
遠くから見せ付けてきた銀のケースの中身。周りを見ると中にはぴったりとしたスー
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