第39話 ゲームは一日一時間って言うけど、実際守ってる奴って居ないよね?
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夜のかぶき町を彩るのは、何も歓楽街だけじゃない。少し離れた場所には電気製品やキャラクターグッズを取り扱っている町がある。
呼び名は様々あり、「秋葉原」とか「オタクの聖地」とか「萌え御殿」とかそう呼ばれている。
だが、呼び名が一杯あると面倒なので此処はとりあえず秋葉原で固定させておく事にする。
もし、別の呼び名があったとしても、其処は私は知りません。
そんな秋葉原の一角で、大勢の人の列が並んでいるのが見える。見れば、そのどの人も明らかに「オタク」と呼べる人材ばかりである。
丸眼鏡を掛けていたり、青髭を生やしていたり、キャラ物の服やグッズを身につけているとか、そう言う辺りのお決まりな服装を身につけているオタクが殆どである。
そして、そのオタク達の並んでいる店は明らかなゲームショップを思わせる佇まいであった。
そして、その店先には何本もの旗が立てられている。
その旗には「本日発売! 弁天堂、3TS」と書かれている。
そう、今日この日は、待ちに待った最新機種3TSの発売日なのである。
え? 別に待ってないだって? 其処は突っ込まずに置いて下さい。江戸の常識はこちらの常識とは掛け離れた面があるのですから。
良く見回していると、並んでいるのはオタクだけじゃない。そのオタクをリポートしているキャスターやカメラマン達も押し掛けている。
そして、目に付いたオタク達に色々なリポートを行っているようだ。
どうやら、今回の3TS発売は一種の目玉となっている様子だ。
そんな訳でそのニュースを是非物にしようとニュース局が動いたのだろう。
因みにリポートの内容としてはどれ位前から並んでいたか、と言うのが殆どだったりする。
大概が「3時間前」とか「半日前」とか、と言うのが多かったりする。
だが、中には「3年前」とか抜かす明らかに金を持ってなさそうな路上生活者も居れば、「娘の為に」とか言って前の客に迷い無く銃口を突きつけるおっさんも居れば、「ゲームになど興味はない。只ネットオークションで高値で売買する」とか抜かすおばんまでもが居る。
そんな感じで様々な欲望が入り混じった長蛇の列が出来上がっているようである。
そんな感じでリポートをとりあえず締めようと締めの一言を述べていた丁度正にそんな時の事であった。
「あのぉ……」
「え?」
誰からがリポーターの裾を引っ張ってきた。見下ろしてみると、其処には一人の少女が居た。
みすぼらしい格好に身を包み、小さなバスケットの中にはその中一杯にマッチが入れられている。
服装がみすぼらしいだけに少女の顔にも生気と言うか、元気が感じられなかった。
「え? 何、この子……」
「マッチ、要りませんか?」
少女がそう言い、バスケットの中にあったマッチを
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