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駄目親父としっかり娘の珍道中
第39話 ゲームは一日一時間って言うけど、実際守ってる奴って居ないよね?
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出している。何時しか少女の回りでオタク達が涙を堪えている映像が映し出されていた。
 そして、報道していたキャスターは勿論、カメラマンもマイク担当もライト担当も皆揃って大粒の涙を流し捲くっている。

「そうだ、死んだお母さんやお姉ちゃんに会えるかなぁ?」

 そう思い、少女は一度に大量のマッチを擦った。するとどうだろうか。光は大きくなり、その光の中で優しそうに微笑む眼鏡を掛けた母親とオレンジ色の髪に青い瞳をした姉が手を振っているのが見えた。
 少女の顔がパッと明るくなり、手を振る二人の元へとフラフラと歩み寄っていく。
 あそこに行けば大好きな母や姉に会える。もう辛い思いをする必要はない。
 すると、不思議と少女の足は止まる事がなかった。

「まてまてまてええええええええええ!」

 だが、それを突如回りに居たオタク達が止めに入る。この手の結末を知っているからだ。
 恐らく、このまま行かせれば少女は息絶え、路上で悲しき骸となる。
 そんな事をさせる訳にはいかない。オタク達の優しき炎が燃え上がったのだ。

「お嬢ちゃん、そのマッチ、俺が買おう!」
「俺も買おう!」

 何時しか、回りに居るオタク達が全員マッチを買うと豪語しだしたのだ。

 俺、10箱売ってくれ! 拙者は20箱! 俺なんて全財産使って買ってやる! 持ってるマッチ全部売ってくれ!

 等など、オタク達の勇気有る行動に少女は口元を手で覆い、一筋の涙を流して喜んでいた。

「うぅ、嬉しい……江戸の人たちって皆優しいんだなぁ」

 喜んでくれている少女にオタク達も皆安堵の表情を浮かべている。俺達は良い事をしたんだ。俺達は間違ってない。
 誰もがそう思っていた。

「それじゃ、皆さんには是非購入して頂きましょう」

 ―――え?
 突然の事だった。さっきまで死にそうな声を出していた筈の少女が突然元気になり、しかもさっきまで涙を流していた目元は銭マークで輝いている。

「はい、退いた退いたアルよ〜〜」
「は〜〜い、マッチで〜〜す」
「おらおらぁ、さっさと買えやてめぇら」

 後方から三人の声が響く。見ればそれは先ほどの回想シーンで出てきたDVな父親であった。それに確かマッチを擦った際に出てきた死んだ筈の母や姉も姿を現している。
 良く見たら、父親は銀時であり、母は新八、そして姉は神楽が変装していた姿であった。

「おう、なのは。上手く行ったか?」
「もうバッチリ! 此処の人たち皆買うってさ」

 少女は突如立ち上がり、身に纏っていた薄汚い服装を取り払った。其処から現れたのはなのはだった。
 オタク達は一斉に青ざめていくのが見えた。
 そう、オタク達は騙されたのだ。物凄く見え透いた詐欺紛いの方法に。

「うっし、そん
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