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駄目親父としっかり娘の珍道中
第38話 住みたきゃ働け! 働きたきゃ服を着ろ!
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「ま、そんな訳だから、今日からお前等は此処を自分家だと思って使ってくれて構わねぇ。但し、俺達にも仕事がある。あんま俺達の足を引っ張るような真似はしないでくれよ」
「おおきにな、トシ兄ちゃん」
「と、トシ兄ちゃん……」

 はやての屈託のない笑顔から放たれたその一言に、土方は激しく同様を覚えた。
 何だ、この高揚感は。今までに感じた事のない感覚だぞ。
 そう、この高揚感は今まで感じた事がない。攘夷志士を切った時でさえ、凶悪犯を一斉検挙した時でさえ、大好きなマヨネーズを啜った時でさえ、こんな高揚感を感じた事はなかった。
 まさか、この感覚は……。
 土方は思いとどまった。
 落ち着け、落ち着くんだ土方十四郎。
 まさか鬼の副長と呼ばれているこの俺が【ロリコン】な筈がない。さっきのは偶々慣れない呼ばれ方をしたせいでビックリしただけだ。
 そうだ、そうに決まっている。

「中々可愛いあだ名じゃねぃですかい。トシ兄ちゃん」
「総梧、お前にだけはそのあだ名で呼ばれたくない」

 さっきの高揚感が一気に冷める感じがした。真夏日にも相当する程だった心が今では北極のど真ん中に居る感じだ。

「おいおい、まさか鬼の副長がロリコンですかぁ? 怖いねぇ世の中ってのはさぁ、なぁトシ兄ちゃん」
「マジキモイアル。暫く私や10歳未満の女子に近づかないでよトシ兄ちゃん」
「てめぇ等纏めて切り殺されたいのか?」

 さっきのとはまた別の高揚感を感じた。とても熱く、とても憎らしい感じの高揚感だ。そう、これは例えて言うなら怒りだ。
 激しい怒りの感覚が土方の中を駆け巡っているのだ。
 だが、何時までも怒りに身を任せてはいられない。話を進めなければならない。副長としての威厳もある。
 深く深呼吸をし、土方は心境を整えなおした。

「土方、一つ良いか?」
「ん? 何だ」
「我等も貴様等の仕事の手伝いをさせて欲しいんだが」
「はぁ?」

 突然、シグナムがそう申し上げてきた。その申し出に対し土方の眉が一気に釣りあがる。
 不機嫌度がMAXになった証だ。

「ふざけんな。俺達の仕事は言っちまえば切り合いの殺し合いだ。素人同然のお前等をそんな場所に連れて行ける訳ねぇだろうが」
「我等を見くびってもらっては困る。我等は古代ベルカ時代から戦い抜いてきた騎士。戦いの作法や記憶。礼儀や葬儀の仕方や祝杯の挙げ方まで全て記憶しているぞ」
「いや、後半全く関係ないよね。全然戦いに関係ないのが2,3個混じってたよね」
「気にするな。些細な事だ」
「いや、気にするわああぁぁぁ!」

 屯所内に土方の怒号が響き渡る。
 だが、その怒号を前にしても、シグナムを筆頭とした騎士達が怯む様子は見られない。四人とも意思は変わらない様子だ。
 その
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