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駄目親父としっかり娘の珍道中
第37話 願い事ってのは大概気がついたら叶っている
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たぞ」
「け、計算どおりよ。これで私達が苦労して集める必要はなくなるわ。彼等がある程度集めた所で奪ってしまえば良い話よ」
「そう言ってる割にはかなり焦ってるな」

 誰からの目からでも明らかに焦っているのが分かる。シャマルの顔色はかなり悪いし冷や汗もかなり流れている。先ほど彼女が言った計算どおりと言うには余りにも程遠いと思えた。

”ぎゃあああ―――――!!”

 断末魔が響いた。四人は肩を震わせてお互いを見合う。今の悲鳴は一体何だ?
 嫌な予感が四人の胸中に押し迫る。
 悲鳴のした場所へと向った。それは源外の工房からそう離れていない大通りであった。
 其処で目にしたのは、正に死屍累々と呼べる光景だった。
 
「こ、これは……」
「酷い、顔面を原型が留まらない程に殴られている」

 シグナムの目からでも分かる位に倒れている男の顔は膨らんでいた。
 まぁ、其処は元々膨らんでるのでは? と言うツッコミもありそうだが其処は遭えて突っ込まないで貰いたい。
 倒れている人々をとりあえず無視して先へ進んでいると。其処に居たのはこの屍(?)の山を気付いている元凶達の姿が其処にあった。

「おら、出せやリンカーコア! 出さねぇと今度は額に【肉】って書くぞぉゴラァ!」
「全力全開でシッペすんぞぉゴラァ!」

 主に銀時と神楽が大通りを歩く人々をボコボコにしている。と言っても、殴ってるのは大抵腰に刀を挿してる輩ばかりのようだ。
 しかし、余りにも惨たらしい光景にも見えた。

「ちょ、ちょっと貴方達! 何やってるのよ!」
「あぁ? 決まってるだろうが! リンカーコアを集めて願いを叶えるんだよ」

 最悪の光景だった。どうやらシャマルの言葉をそのまま鵜呑みにしてしまったようだ。それも最悪の形で。

「あ、貴方達話聞いてた? これは自分の願いを叶える代償として人の命を使うと言ったのよ!」
「あぁ、聞いたよ。だから殺さないように手加減してんだよ」
「そ、そうなの……」

 一応人命は尊重しているので安心は出来る。確かに、先ほど見た死屍累々の光景も、実際には死者は出ておらず、単に気絶していただけだったのだが。
 しかし、それにしても余りにも酷い光景だったのは言う間でもない。

「それで、具体的にどうやってリンカーコアを集めるつもりなの?」
「持ってそうな奴を片っ端からボコボコにして一滴残らず搾り取る!」
「確実に殺す気満々じゃない! しかも言い方が明らかに悪党じみてるわよ!」

 嫌な予想は的中していた。しかもかなり性質が悪い方向に的中している。
 こいつら、リンカーコアがどんなのか全く理解していない。

「それにしても銀さん。誰もそのリンカーコアっての持ってそうにないですよ」
「んだよぉ! これ
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