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駄目親父としっかり娘の珍道中
第37話 願い事ってのは大概気がついたら叶っている
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の」
「危険? あぁ、確かにこりゃ危険な代物だな」

 流石は銀時だ。この書物の危険性を理解していると見受けられる。

「こんだけ分厚けりゃ軽く人殺せるぜ。良い鈍器になるしな」
「いや、そうじゃなくて……もっと別の危険性があるのよ」
「もっと別の? 紙を一枚一枚千切ってティッシュの変わりに使うとか?」
「もう良いわ。貴方達にとっての危険性の概念が分かったから」

 このままでは埒が空かない。しかたないとばかりにシャマルは溜息をついた後に真剣な面持ちで話し始めた。

「それは闇の書と言って、魔力を捧げる事で起動するロストロギアの一種なの」
「ふぅん、魔法ねぇ……で、魔力を捧げるって具体的にどうやるんだよ」
「大概の人間には魔力の源であるリンカーコアと言うのがあるわ。それを取り出して捧げれば良いの。そして、ある一定量の魔力を捧げた際には恐ろしい事が起こるのよ」
「恐ろしい事?」

 首を傾げる銀時達。どうやらそれだけだとピンとこないようだ。普通ならこの時点で手放す筈なのだが、どうやらこの世界の住人は余りにも魔法に無頓着なようである。
 仕方ないとばかりにシャマルは一呼吸置いた。

「つまり、他者の命を捧げて、自分の願いをかなえるという恐ろしい代物なのよ」
「マジでか!?」
「そう、だからそんな危険な代物を貴方達に預けておく訳にはいかないわ。私達が厳重に管理するからこちらに渡して―――」

 話し終えていざ、闇の書を受け取ろうとしたシャマルの目の前に映っていたのは、先ほどの話を聞いて歓喜に打ち震える銀時達の姿であった。

「すっげぇよ、マジですげぇ! この本にそんな凄い効果があるなんてよぉ」
「やりましたねぇ銀さん! これってあれですか? 七つ集めたら願いが叶うボールみたいな奴ですかねぇ?」
「キャッホォイ! 銀魂改め【神楽魂】の始まりネェ!」

 どうやらおおまかな話を無視し、単に願いを叶えると言う部分だけ耳にしてしまったようだ。
 そして、それを聞いた銀時達にとっては当然それを手放す事などまずありえなくなってしまったのは言う間でもない。

「ちょ、ちょっと! 話聞いてた? それは危険な代物なの! すぐにこっちに渡して頂戴!」
「心配すんなよ。俺達ぁそんなへましねぇよ。それよりさっさと集めに行くぞ。そのぉ、何だっけ?リュックサック?」
「リンカーコアですよ銀さん」
「そうそうそれそれ、って、それって具体的に何なんだ?」
「金玉じゃネ?」

 鼻を穿りながら神楽が呟く。その呟きを鵜呑みにしてしまった銀時達は早速江戸の町へと繰り出していってしまった。
 残された四人の守護騎士達は全員真っ青な顔をしていたと言う。

「おい、どうすんだよシャマル。あいつら手放すどころかやる気になっちまっ
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